...とうの昔に尋常な女になり済ましていて...
有島武郎 「或る女」
...尋常人と異らない尋常なことをしている」といったのはまことだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...尋常な物云いをしたのはその時が始めてであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まあ尋常な顔立だし...
豊島与志雄 「朝やけ」
...尋常な「明日」を肯定することが...
豊島与志雄 「明日」
...尋常な場合だけをとれば...
豊島与志雄 「録音集」
...布の衣袴の尋常なると...
中里介山 「法然行伝」
...尋常な友達に満足して...
夏目漱石 「坑夫」
...代助は時々尋常な外界から法外に痛烈な刺激を受ける...
夏目漱石 「それから」
...自分はこれらの教育あるかつ尋常なる士人の前にわが作物を公(おおやけ)にし得る自分を幸福と信じている...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...と云って話を途切らすのも礼に欠けると思って「だいぶ人が出ましたろう」と極(きわ)めて尋常な問をかけた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...尋常なことでは列車に乘れないので...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...尋常な目鼻立、少し淺黒い顏色、眉を落して鐵漿(かね)を含んで、何んの變哲もない町家の内儀ですが、この燃えるやうな性格と、華(はな)やかに去來する感情の動きを見ると、――これは飛んだ罪を作るかも知れない――と思はないわけに行きません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...尋常な眼鼻立を持つてゐるんでせう」「無駄が多いな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...奥方の悋気は尋常なものではない...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...犯人たる仮想の第三者の智力の尋常ならざるを疑われたるは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それを尋常なごあいさつで話しかけたのでは...
吉川英治 「江戸三国志」
...「たいそう尋常なお話で...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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