...とうの昔に尋常な女になり済ましていて...
有島武郎 「或る女」
...この方が自分で入っておいでやした」と尋常な調子でいっている...
近松秋江 「霜凍る宵」
...この点から尋常な意味における内閣補強工作と見られたとしても仕方あるまい...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...夫は極めて日常的な尋常なものだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...尋常なものを尋常な眼で最もよく見て取る所に...
豊島与志雄 「最近の菊池寛氏」
...尋常ならば、たとえ牛であっても、こんな際に、房総第一の高山の上で、人っ子ひとりいないと信じていたところへ、不意にのっそりと現われて、体をこすりつけられるようなことをされては、大抵の子供は驚愕(きょうがく)のあまり、悲鳴を上げて逃げ出すのがあたりまえですけれども、茂太郎は驚きません...
中里介山 「大菩薩峠」
...旦那」客の筋が尋常ならずと見て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...旦那」客の筋が尋常ならずと見て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これらが尋常なキモツタマでないこと...
長谷川時雨 「初かつを」
...尋常ならざるものを見つけたという印であった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...山のけしき水の有様はや尋常ならぬ粧ひにうつゝをぬかし桃源遠からずと独り勇めば鳥の声も耳にたちてめづらし...
正岡子規 「かけはしの記」
...実直な健全な尋常な人間は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...異常な音楽より尋常な音楽の方が...
柳宗悦 「民藝四十年」
...尋常な手段では望みが遂げられないとみて...
山本周五郎 「あだこ」
...――尋常なことではないな...
山本周五郎 「風流太平記」
...手先のわれを見送る眼付き尋常ならざるに心付き...
夢野久作 「白くれない」
...その音吐(おんと)朗々として、言葉癖、尋常ならず...
夢野久作 「白くれない」
...あんな尋常な所では遊び飽いたので...
吉川英治 「江戸三国志」
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