...害心もあらんかと...
泉鏡花 「活人形」
...かりそめにも害心(がいしん)のある人物に見えなかった...
海野十三 「怪星ガン」
...夫は始めてあたしの害心(がいしん)に気がついた...
海野十三 「俘囚」
...誰一人害心を持つてゐるものがあらうなどとは思つてゐない...
薄田泣菫 「独楽園」
...八年前に何の害心もない空から恐るべく抵抗しがたい雷電が落ちてきた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...内心如夜叉(ないしんにょやしゃ)的の奸佞(かんねい)の害心があるとも知らず...
太宰治 「畜犬談」
...しかしどうやら害心を蔵していないだけは明かであった...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...常(つね)に陣(ぢん)どって相鬪(あひたゝか)ふ……仁心(じんしん)と害心(がいしん)とが……而(しかう)して惡(あ)しい方(かた)が勝(か)つときは...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...猿ではないが――」「忍びよる気配には殺気がござりました」「感じたか」「害心無きものの近づく音とはちがっておりました」「のう...
直木三十五 「南国太平記」
...害心の無いことを示してから「深夜に...
直木三十五 「南国太平記」
...害心のないところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...害心も認められない...
中里介山 「大菩薩峠」
...ずっと下卑(げび)た利害心に駆られて...
夏目漱石 「こころ」
...それと共に彼の胸には一種の利害心が働いた...
夏目漱石 「道草」
...道義心と利害心が高低(こうてい)を描いて彼の心を上下(うえした)へ動かした...
夏目漱石 「明暗」
...害心たちまちに消滅してあまつさえ後悔の涙禁じがたし...
服部之総 「加波山」
...もと諸動物は害心なき人を懼(おそ)れず...
南方熊楠 「十二支考」
...……怖ろしい、思えば、怖ろしい自分の心であった」「だが――親鸞を害(あや)めなさろうとしたその心が、真の宿縁となって、ここにおん身が真実を吐き、わしが真実の手をのぶることとなったと思えば、その害心に、わしは掌(て)をあわせる...
吉川英治 「親鸞」
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