...滝の水烟(すゐゑん)枝(えだ)に潤(うるほ)ひしが津(しづく)となり氷柱(つらゝ)となりて玉簾(たまのすだれ)をかけ周(めぐら)したるやうなるは...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...やがて月は上(のぼ)りて桂の川の水烟(みづけぶり)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...木曾川の溪流よりは朝(あした)の水烟盛(さかん)に登りて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...常磐木の黒ずんだ葉から水烟のように霜だの雪だのを蹴散らして行った...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...已(すで)に去りて浩蕩(こうとう)の濤に擒(とりこ)にせられ水烟渺漫(びょうまん)の裡(うち)に在り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...これ獨り山水烟霞の爲ばかりではない...
永井荷風 「十年振」
...水烟(すいえん)と共に消え失せぬ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...五台の馬車が赤い土の水烟(けむり)を馬蹄の音高く蹴立てて縦断するのは...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...舊い屋根は、西風に對し、水烟に對し、雨に對し、海の投げつけるあらゆる物に對しての、幾世紀間の爭鬪を物語り、その下に庇つて來た熱情の出來事、大膽と戀との舊い冐險を語つてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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