...まず如何なる客筋にむかって商売すべきか...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...またこの如き設備の調った下宿屋には既して好い客筋すなわち多額の金銭を使用する贅沢屋が泊るから...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...パン店としては上等の客筋といわねばならぬのであった...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...何(ど)うせ出るなら客筋のいい一流の店の方がチップの収入も好いだらうと思つて...
徳田秋声 「のらもの」
...戦争がすんで花柳界が復活してから、熱海の移転先から戻って来て、我儘なお座敷勤めをしている菊千代から見れば、客筋はたいてい、口先ではいろんなことを言いながらも、戦争のことなどはけろりと忘れてしまってる、心身ともに肥え太った人たちのようでした...
豊島与志雄 「高尾ざんげ」
...客筋から届けられた南京豆を朋輩といっしょに食べてる時...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...茂太郎が今宵もしかるべき客筋から招かれたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ありますよ――番頭の伊八は年甲斐もなく飛んだ道樂者で、若旦那が身請(みうけ)する前は、お袖の客筋で、うるさく附け廻して居たんだつて言ひますよ」「――フム」平次は唸(うな)りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんな稼業の辛(つら)さで大事な客筋のことはうつかり言へねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むさい客筋を見ながら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...客筋は、主として白耳義のアントワアプや、和蘭のアムステルダムからの宝石商人で、両市とも、ことに後者は独占的に世界の金剛石(ダイヤモンド)市場であるだけに、ダイヤモンド仲買人がホテル・アムステルダムの止宿者の大部分だった...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...三女のしづ、あるじは和助といって、船宿経営の手腕は浦粕随一といわれたし、客筋のいいこと、常に繁昌(はんじょう)していることも事実であった...
山本周五郎 「青べか物語」
...その日は三軒ばかり客筋をまわって...
山本周五郎 「追いついた夢」
...客筋とあるじ万兵衛の好みとで...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...そのねらっている客筋が違うことである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...「そちどもは客筋を見損なってはいやらぬか...
夢野久作 「斬られたさに」
...御贔屓(ごひいき)になりましたお客筋で...
吉川英治 「江戸三国志」
...ゆうべのもだいじなお客筋だが...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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