...女はちよいと如才のない樣子をすれば...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...お若いながらも御如才のない故将軍家は...
太宰治 「右大臣実朝」
...それにしては落ち着きのある如才のないお嬢さんだと思っているらしいのを...
谷崎潤一郎 「細雪」
...如才のない主婦たちが盛んに買ひ込んでゐる...
種田山頭火 「其中日記」
...暫くしてそれは不動堂の前の湯屋をした上(かみ)さん――その時分は三十位でいきな如才のない上(かみ)さんであつたといふことがわかつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...けどなかなか如才のない女です...
徳田秋声 「足迹」
...例えば一切の諸真実の公平な総合や如才のない止揚が真理だというなら...
戸坂潤 「認識論とは何か」
...老巧にして如才のないお数寄屋坊主の玉置(たまき)氏が...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして官界遊泳術などにも如才のない人であった...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究後日譚」
...中田屋さんはあの通り如才のない人で」倉松は何を訊いても巧(たく)みに外らすだけです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それにあの才走つた如才のない音吉は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しは自分でも溜めて居さうな如才のない人柄です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私はこれで随分如才のない方だから...
久生十蘭 「魔都」
...何も頭痛にやむことはないさ!』とあっさり如才のない諺で片づけてしまったものである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...変転自在な手練手管を駆使した――或る時は如才のない態度で効果をあげ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...誰に対しても心から如才のない...
牧野信一 「村のストア派」
...慇懃な如才のない従順な人間はないのだが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...と、すぐに、如才のない、中年の番頭が、「どうも、お待たせいたしまして、とんだ失礼を...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索