...松江はその窓と壁と露台(バルコン)とをより美しくながめしむべき大いなる天恵――ヴェネティアをしてヴェネティアたらしむる水を有している...
芥川龍之介 「松江印象記」
...天恵多き我国のいずくに於てか...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...第二には非常に天恵の薄い国であると云ふ事を感ずるのであります...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...伊太利の如きは最も天恵の乏しい国と云はれて居りますが...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...斯くの如き天恵に乏しい国に生れた吾々は...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...特種(とくしゅ)の天恵を放棄せしものと見做さるるに至れり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...その天恵を享受しているこの日本にあっては...
高浜虚子 「俳句への道」
...それが第一の天恵である...
高浜虚子 「別府温泉」
...その遺物遺跡を見るに、世界のあらゆる石器時代の土器に比して優位をしめてゐる程であるとも言はれ、今の北海道アイヌの祖先は、古くから北海道に住んで、本州の文化に触れること少く、土地隔絶、天恵少く、随つて石器時代にも、奥羽地方の同族に見るが如き発達を遂げるに到らず、殊に近世は、松前藩以来、内地人の圧迫を被ること多く、甚しく去勢されて、堕落の極に達してゐるのに反し、奥羽のアイヌは、溌剌と独自の文化を誇り、或いは内地諸国に移住し、また内地人も奥羽へ盛んに入り込んで来て、次第に他の地方と区別の無い大和民族になつてしまつた...
太宰治 「津軽」
...僕には天恵があるんです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...そうしてたださえ豊富な天恵をいっそう有利に享有すると同時にわが国に特異な天変地異の災禍を軽減し回避するように努力すれば...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...我々が日頃自分の舌を甘やかしすぎて勿体(もったい)ないくらいの天恵を忘れさせてることを思わせる...
中勘助 「胆石」
...せっかくの天恵さえ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ごく少数の探検家たちだけが享受し得る天恵である...
中谷宇吉郎 「アラスカの氷河」
...この畑灌漑によって初めてその天恵を十分に利用しているのである...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...「――天恵です、それに一案があるのです...
吉川英治 「三国志」
...実に天恵の物といってよい...
吉川英治 「三国志」
...うしろの駒ヶ岳からこの野婦之池(のぶのいけ)へ沛然と天恵が降るということが信じられている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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