...知らず識らず勝負の回數を夢中で重ねて行き...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...“今だ、今のうちに安全なところへ避難しなければ……”というので、私たちは、夢中で、船橋へ駈けのぼりました...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...無我夢中であばれましたが...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...事務的な計算に夢中でした」オープンショウは飾りけもなく笑つた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「古書の呪い」
...老人は古風な宗教の習慣に夢中でした...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...われと我が目を疑ふ程驚喜しポコ/\と快い音をさせながら夢中で折り取つたものであつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...無我夢中で駈けて行く中に...
中島敦 「山月記」
...有った」綾麿は夢中で天狗長兵衛の観音像を取上げると...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...二人とも夢中でしたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...隱れん坊に夢中でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四 恐ろしき刹那二人を追ひ駆けて私は夢中で駆けて居りましたが到々その姿を見失つてしまひました...
牧野信一 「嘆きの孔雀」
...夢中でいたり立ったり坐ったりしていたが...
正岡容 「小説 圓朝」
...夢中で後の貸席へ入っていってしまった日のことを...
正岡容 「小説 圓朝」
...――夢中で捜しに駆けまわっていたんだ...
山本周五郎 「風流太平記」
...五日はその話で夢中でさ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それから夢中で製作台の削られた大理石の女の肢体を凝視していらっしゃるのです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...ハッと息を止めて空に投出されると、遙か下、色とりどりな、玩具(おもちゃ)箱のような小屋全体が、自分一人を残して、サッと一転し、半ば夢中で、向うのブランコへ飛乗ると、何処へ隠れていたのか、急に浴(あび)たような汗が、一遍に噴出(ふきだ)し、心臓は、周章(あわて)て血管の中を、方々へ衝突しながら、駈廻った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...先刻からの肝癪で夢中で急いではゐるものの...
若山牧水 「熊野奈智山」
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