...でもとにかくそう思うと私はもう後(うしろ)も向かずに無我夢中で岸の方を向いて泳ぎ出しました...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...それぞれ夢中で鉛筆の先を嘗めたり...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...三日も飲まず食わずでさまよっていた彼は夢中で乳房を吸いました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...先生夢中で頸部(くび)を締めつけたもんだから...
谷譲次 「踊る地平線」
...酔うて夜更けて夢中で戻つて寝た...
種田山頭火 「其中日記」
...夢中で引っ張り戻そうとするのです...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...脇差は柴田家のもの――父上御祕藏の一口(ひとふり)ではございませんか」「――」「私は夢中でそれを屍體から拔き取りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浪費に今は夢中であった...
原民喜 「滑走」
...無我夢中で逃げて行く...
原民喜 「ガリヴア旅行記」
...夢中で人をわけて駆け抜けた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...小鐘が来てゐるツて!」私は夢中で駆け出して行つた...
牧野信一 「奇友往来」
...)彼の胸に夢中で飛びかゝつた...
牧野信一 「毒気」
...全く夢中でおどり込むと倉市を抱きあげて...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...夢中で船を脱けて来たのであつたが...
牧野信一 「山彦の街」
...桜並木の蔭を夢中で駈け出した...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...源次が夢中で蹴とばした足の先に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...夢中で逃げ出した』『仇(かたき)とでも...
吉川英治 「山浦清麿」
...なかば夢中で別れてしまい...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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