...何でも秋の夜更けだつた...
芥川龍之介 「岩野泡鳴氏」
...誰でもとの交友と・ダンスと・カクテル・パアティと・スキイの遠出と・夜更けのホテルとであり――だから...
谷譲次 「踊る地平線」
...」と母親は、夜更けてから、茶の間で衆(みんな)が鮨(すし)を摘(つま)んで茶を飲んでいる時言い出した...
徳田秋声 「足迹」
...時々夜更けに目のさめるお増の神経を...
徳田秋声 「爛」
...その夜更け、狭いひっそりした店のなかに一人になると、片野さんはちょっとあたりを見廻して、笑みをもらした...
豊島与志雄 「潮風」
...夜更けに戻ってきて...
豊島与志雄 「白蛾」
...その上、夜更けまで、戸口のしきいの前に寢ころんで、割れた瓶の首を時々口へ持って行っては、顏や手をやたらに傷つけている彼の姿が見られた...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...夜更けになってお帰りなさることもあるし...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜更けにあの音を聞くのはいやだ」お銀様は目を閉じて幸内の面影(おもかげ)を見まいとし...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜更けて無提灯で歩くものは盗賊か...
中里介山 「大菩薩峠」
...醉つ拂つて夜更けに歸つてくる爲吉を待ち構へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜更けの大氣をかき亂して傅はりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ものの半月あまり、道益は鉄砲を据えて根気よく居坐っていたが、待ちに待った甲斐があって、夜更け近く、いつか見た貧郷士が、小狩衣に悪魔(でもん)の面甲をつけた装(なり)で佶屈と森の中から出てきた...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...滅多なことには夜更けでもない限り浴室へ赴かぬのでもあつた...
牧野信一 「風流旅行」
...「へ、へ、へ、この夜更けに、夫婦喧嘩と出なすって、飛び出して来やしたのかい? 犬も食わねえというに、あいつ等あ、馬鹿に食い意地の張った犬どもと見える――へ、へ、へ、どっちみち、お里へなり、いろ男のところへなり、おいでになるところでげしょう――へ、へ、へ、そのなりで、夜みちを歩いたら、自身番が、只はとおしゃせんぜ――へ、へ、へ――おのんなすって」浪路も、いくらか気がしずまると、どうせ指してゆく、浅草山ノ宿とかまで、歩いて行けるものでもないと思った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...夜更けて思い浮ぶ風景は...
横光利一 「欧洲紀行」
......
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...冷たい玻璃(ガラス)板へ息が曇っているように秋の特有な星雲が空に夜更けていた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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