...しかしわたしはあの夜更けに...
芥川龍之介 「雛」
...隠亡も、夜更けになって、石炭に火をつけるまで、用事もないので、どこかへ立去ったものに相違ない...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...夜更けての帰りがけに...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...経験の浅い少女と少年がどんなに平気を装(よそお)っても嗅(か)ぎ付かれずにはいないものだが佐助が同門の後輩(こうはい)となってからは以前のように夜更けるまで対坐(たいざ)する機会もなく時折兄弟子の格式をもっておさらいをしてやるぐらいなものその他の時はどこまでも気位の高いこいさんであって...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...こんな夜更けにわざ/\人を自分の閨(ねや)まで誘い入れて置きながら...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...又或時夜更けに法然が念仏をするその声が勇猛であったから...
中里介山 「法然行伝」
...如何にも冬の夜更けらしい寂しさを感じさせた...
南部修太郎 「霧の夜に」
...朝暗いうちから出かけて帰るのは大抵夜更け...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「旦那は夜更けにお前達を部屋へ入れないのか」「へエ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もうすっかり夜更けになって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜更けになつて相濟みませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夜更けて、一人自分の部屋の前に立った時、セエラの胸はさすがにどきどきしました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...遠くから掛聲ばかりきこえてくるやうな夜更けに...
長谷川時雨 「水色情緒」
...こんな夜更けにお訪ねするなんて...
久生十蘭 「魔都」
...夜更け迄語り、又々のど少々いかん...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夜更けてから帰って来るなり...
堀辰雄 「ほととぎす」
...内わたりに夜更けてあるきけるに...
南方熊楠 「十二支考」
...もう夜更けていたに違いないが...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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