...十月二十七日の夕刻(ゆうこく)である...
芥川龍之介 「滝田哲太郎君」
...裁判医の屍体解剖が終る夕刻まで...
海野十三 「地獄の使者」
...○○港入港は明後日(みょうごにち)の夕刻(ゆうこく)でございます」「何じゃ明後日の夕刻? ずいぶん遅いじゃないか...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...今日夕刻からでも早速附添さんを附けることにします」主任さんは今日となっては...
「草藪」
...御牧は光代から予告があった通り、その月の二十日近くに、或る夜嵯峨(さが)の子爵(ししゃく)邸から電話で、昨日東京から此方へ着き、二三日滞在しているつもりであるが、一遍御主人御在宅の折に参上したいと云って来たので、夕刻からなら、いつでも御都合のよろしい日にと云うと、それでは明日伺いますと云って、その日の四時頃に見えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...とうとうその夕刻に息を引き取りましてね...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...他(ほか)の病家(びやうか)を診(み)て醫者(いしや)は夕刻(ゆふこく)に來(き)た...
長塚節 「土」
...夕刻まで其處になんにも無かつたことは確かで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きょうの夕刻、お曲輪(くるわ)にちかい四谷見附附近で、なんとも解(げ)しかねるような奇異な事件が起った...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...夕刻、「丸金(まるきん)」の大広間で、三菱の招待宴が張られた...
火野葦平 「花と龍」
...今日はセリフ覚えようといふ殊勝な心がけで夕刻帰宅...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻、ニューグランドへ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻出て、朝日ビル地下へ、天ぷらはモタれて舞台で辛いので、季節外れだが、おでんで茶めし一杯...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...「いや、お騒がせして相済まぬ」「はい」と彼女は答えた、「――夕刻から、お館(やかた)さまにまいっておりました」「すまぬ、すまぬ――」と繰りかえして彼はそこを足ばやに離れた...
本庄陸男 「石狩川」
...やはり夕刻五時頃が一番たかいから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夕刻風にふきはらわれて暗くなりながら青くエナメルのように寂しく透明になる空の色を見て...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きょうは夕刻までここにいて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...或る風の強い夕刻じぶん...
山本周五郎 「長屋天一坊」
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