...その日の夕刻には...
竹内浩三 「泥葬」
...此の男が毎日夕刻になると何処かへ行って見えなくなり...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...夕刻から蚊帳へもぐりこんで...
種田山頭火 「一草庵日記」
...夕刻にいよいよ高浜へ着いた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...夕刻食事をなさむとて尾張町を過ぐ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...二大正の末頃、彦根屏風(びょうぶ)が上野の美術館でたった一日だけ展観に供された時、二人の若い美術学生があの屏風の前に立って、朝から夕刻まで、全く食わず呑まずに、文字通り一寸も動かずに頑張って、主催者側を、持て余さしたり、驚嘆さしたりしたことがあります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...外へ出るともう夕刻...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...驚いたの驚かねえの――」「何を驚くんだ」翌る日の夕刻...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕刻、二時間休憩といふので、石田守衛を連れて渋谷迄出て、二葉亭の洋食を試みる、ターブルドートのみと気取ってるが流石にうまい、オルドヴルからコーヒー迄、づんと気に入った...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻四時に出て、ホテルのバアで、岡崎と監督の山上紀夫に会ひ、シナリオを渡す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻迄、づーっと寝たきり、朝食に飯を一杯食ったきり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻、お母さんお出かけのすこし前軍事郵便着...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そういう童子のたずねてくる夕刻時を待ち慕うていた...
室生犀星 「後の日の童子」
...湯は夕刻であるから清潔であるとはいえないが...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...そして夕刻、何気なく下城して帰ってみると、邸内いたる所に鯉を入れた桶や槽(ふね)がおいてあって、『なんとした事やら、今日一日中、諸家や諸職の町人から、鯉の到来物で、もう池にははいり切れません』と、家臣も途方にくれていたという...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...午(ひる)すぎから夕刻近くまでにわたる議題はことごとく...
吉川英治 「新書太閤記」
...――それもつい夕刻の事』『はてな?』『覗(のぞ)いて来ましょうか』手代すがたの倉橋伝助が立ちかけると...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...一五三二年十一月十五日の夕刻であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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