...夕刻になるとひどく疲れたり肩が凝(こ)ったりしたが...
梅崎春生 「日の果て」
...その日の夕刻、観測艇が海岸に近づくと、丘のかげからサチ子の軽快な洋装姿があらわれた...
海野十三 「地球を狙う者」
...四月三十日の夕刻以後の出来事を記していると...
谷崎潤一郎 「鍵」
...御牧は光代から予告があった通り、その月の二十日近くに、或る夜嵯峨(さが)の子爵(ししゃく)邸から電話で、昨日東京から此方へ着き、二三日滞在しているつもりであるが、一遍御主人御在宅の折に参上したいと云って来たので、夕刻からなら、いつでも御都合のよろしい日にと云うと、それでは明日伺いますと云って、その日の四時頃に見えた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一昨日の正午から昨日の夕刻迄うち中総出で...
中島敦 「光と風と夢」
...夕刻に行ってみると...
夏目漱石 「三四郎」
...二大正の末頃、彦根屏風(びょうぶ)が上野の美術館でたった一日だけ展観に供された時、二人の若い美術学生があの屏風の前に立って、朝から夕刻まで、全く食わず呑まずに、文字通り一寸も動かずに頑張って、主催者側を、持て余さしたり、驚嘆さしたりしたことがあります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...一両日、考えさせてもらうことにして、夕刻、外出先から帰った家内に相談すると、「それは、差し上げた方がいいでしょう...
野村胡堂 「胡堂百話」
...この上もなくのんびりした秋のある日の夕刻です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夕刻から相伴(あい)をしに来てくれ...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...この場の事情を了解していただくために、少々後戻りしてその後の加十の行動を述べると、夕刻、日比谷公園池畔で秀陳から、今朝この噴水の鶴が安南の国歌を歌ったという話をきくと、元来愚直なだけに小うるさい推理の綾などに迷わされることがなく、安南の皇帝はいま鶴の噴水の下にいると一気に直感し、押太くも一枚の古地図をたよりに、底知れぬ秘密を蔵するこの地下の大迷路へ躍り込み、いわば、ホルベルヒの「ニコラス・グリムの地下の旅」といった風に、あちらこちらと彷徨をつづけていると、どこからともなく呑気極まる鼻唄がきこえて来た...
久生十蘭 「魔都」
...夕刻、延寿の板前出来のカツレツとビフテキを食ひ、床へ入りうと/\したと思ふと東京より柳来り、一泊して行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕刻は昨日よりやや心地よし...
正岡子規 「病牀六尺」
...やはり夕刻五時頃が一番たかいから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夕刻に至つて南部氏と本城夫人の配慮で...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...その日の夕刻になってもやみません...
吉川英治 「江戸三国志」
...いまでも舜水先生がおこのみのように製(つく)っておるのか」「ご註文がございますれば」「あすの夕刻までに...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...今日の夕刻頃になるにちがいない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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