...越えて数月この「武蔵野」を巻軸として短篇数種を合冊した『夏木立(なつこだち)』が金港堂(きんこうどう)から出版されて美妙斎の文名が一時に忽ち高くなった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...マダ学生の貧しいポッケットの中から『夏木立』をも購読し...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...棟梁(とうりょう)の材ばかりなり夏木立五月二十三日 大雪崩会歓迎句会...
高浜虚子 「六百句」
...顧みる七十年の夏木立草刈の顔は脚絆(きゃはん)に埋(うず)もれて七月十日 句謡会...
高浜虚子 「六百句」
...夏木立の青い日影を浴びて立っていた...
太宰治 「地球図」
...あの夏木立の影も映らむばかりでございました...
太宰治 「葉」
...・さみだるゝや真赤な花の・濡れて尾をたれて野良犬のさみだれ・はたらく空腹へさみだれがそゝぐ・梅雨空のしたしい足音がやつてくるよ(改作)・あめのはれまの枇杷をもいではたべ・梅雨あかり私があるく蝶がとぶ・びつしより濡れてシロ掻く馬は叱られてばかり追悼・夏木立...
種田山頭火 「行乞記」
...・草苺ほのかに朝の水がたゝへ(改作)・青葉のむかういちはやくカフヱーの灯咲いてゐる花を見つけてきてゐるてふてふ・草の葉の晴れててふてふ三つとなつて・こゝまで機械がうなつてゐる梅雨空・うらから仔蟹もはうてくる山の情死者を悼む四句・青葉につゝまれてふたりで死んでゐる骨だけとなり梅雨晴るゝ山夏木立ふたりで死んで腐つてゐた・夏山ひそかにも死んでいつたか南無阿弥陀仏必然に...
種田山頭火 「行乞記」
...煤煙(ばいえん)に黝(くす)んだ夏木立ちの下蔭へ来たころまでも...
徳田秋声 「爛」
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内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...魚臭(うおくさ)き村に出(いで)けり夏木立旅中の実咏(じつえい)である...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...成るほどこの歌の如きにしても 柔肌の熱き血汐に触れも見でさびしからずや道を説く君 のやうに 鎌倉や御仏なれどシヤカムニは美男におはす夏木立哉 のやうに一読直ちに瞭然とは行かない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...こゝに茂れる夏木立は八幡の御社なり...
正岡子規 「かけはしの記」
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夢野久作 「猟奇歌」
...夏木立をとおして来る涼風(すずかぜ)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...また“まづたのむ椎(しひ)の木もあり夏木立”と詠(よ)み...
吉川英治 「随筆 新平家」
...夏木立の神さびた奥へ進んで行った...
吉川英治 「源頼朝」
...滝の上の夏木立の色がまたすばらしく...
吉野秀雄 「滝しぶき」
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