...越えて数月この「武蔵野」を巻軸として短篇数種を合冊した『夏木立(なつこだち)』が金港堂(きんこうどう)から出版されて美妙斎の文名が一時に忽ち高くなった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...マダ学生の貧しいポッケットの中から『夏木立』をも購読し...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...美妙の『夏木立』は明治二十一年八月の出版で...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...尤も『夏木立』中の「武蔵野」は初め『読売新聞』に載ったのであるが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...廢塔のあせし丹塗や夏木立 碧葉晝顏に拾ふ古塔の瓦哉 同われは...
大町桂月 「中野あるき」
...夏木立の青い日影を浴びて立っていた...
太宰治 「地球図」
...・さみだるゝや真赤な花の・濡れて尾をたれて野良犬のさみだれ・はたらく空腹へさみだれがそゝぐ・梅雨空のしたしい足音がやつてくるよ(改作)・あめのはれまの枇杷をもいではたべ・梅雨あかり私があるく蝶がとぶ・びつしより濡れてシロ掻く馬は叱られてばかり追悼・夏木立...
種田山頭火 「行乞記」
...魚臭(うおくさ)き村に出(いで)けり夏木立旅中の実咏(じつえい)である...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...青葉の茂った夏木立の街道を通って来ると...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...例へば 鎌倉やみ仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かなの如き歌では如何にも耳ざはりである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...四季の題目を以てこれを例せんに夏山 夏野夏木立(なつこだち)青嵐五月雨(さみだれ)雲の峰 秋風野分(のわき)霧 稲妻天(あま)の河(がわ)星月夜 刈田凩(こがらし)冬枯(ふゆがれ)冬木立 枯野 雪時雨(しぐれ)鯨(くじら)等はその壮大なる者なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...四季の題目につきて動きやすき者を挙ぐれば春風ト秋風 暮春ト晩秋 五月雨ト時雨 桜ト紅葉 夕立ト時雨 夏野ト枯野 夏木立ト冬木立等数ふるに堪へざるべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...美妙の『夏木立』は明治二十一年八月の出版で...
水野葉舟 「言文一致」
...雨晴れやパンの樹のある夏木立三月十日今日の午後二時にコロンボに着く筈...
横光利一 「欧洲紀行」
...吏道夏木立私の曾つて發表した短篇のうちに「鬼」といふ小説がある...
吉川英治 「折々の記」
...行く手に鬱蒼(うっそう)たる一(ひと)むらの夏木立...
吉川英治 「剣難女難」
...夏木立をとおして来る涼風(すずかぜ)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...滝の上の夏木立の色がまたすばらしく...
吉野秀雄 「滝しぶき」
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