...戸を開けっぱなしにしくさって風が吹き込むでねえか...
有島武郎 「カインの末裔」
...その穴から吹き込む風と共に...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...私は風の吹き込む箇所を発見した...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...それから歩いているうちに床板の透間から風が吹き込むでしょう...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...雪が間断なく吹き込む...
太宰治 「冬の花火」
...車の窓の隙間から寒い風が襟元に吹き込む...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...枕のほとりいつしか落葉のこぼれたるをみる松の葉を吹き込むかぜの涼しきに咽びてわれはさめにけらしも二日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...室内の冷気が一度に背(せ)の毛穴から身の内に吹き込むような感じがして覚えずぞっとした...
夏目漱石 「倫敦塔」
...颯(さっ)と吹き込む風に驚ろいて眼を覚(さ)ますと...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ジフテリアには誘導法(すなわち頸に人工的に斑状出血を起こさせる)および収斂性薬品を吹き込む...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...まさしく神経病患者の独り路であるならば容易く山霊の催眠術を吹き込むにふさはしかつた...
牧野信一 「剥製」
...サヴェスチカヤ湾………おゝコモールスカヤ市………おゝバム鉄道………その名を聞くたびに身内をめぐる新鮮な身震いを感じウスリの少女らが頭に巻くハネガヤの花のような芳醇さを疲れた胸に吹き込むそれらの名前は数万の...
槇村浩 「ダッタン海峡」
...雨の吹き込む中に闇(やみ)を透かしたり...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...この寒さと闇と沈黙との全幅の画図が己の胸へ悲哀と係恋(あこがれ)とを吹き込むのである...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...○阿房が吹き込む...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...垣根に吹き込む山おろし...
山田美妙 「武蔵野」
...正面から吹き込む...
吉江喬松 「山岳美觀」
...吹き込む雨にびしよ濡れに濡れる...
吉江喬松 「山岳美觀」
便利!手書き漢字入力検索