...この次(つ)ぎは姉君様(あねぎみさま)が是非(ぜひ)お目(め)にかかるとの仰(おお)せでございます...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...して貴君様の御病気とは...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...わが君様の教授会に於ける器量の如何によって...
戸坂潤 「社会時評」
...「お君様、ここで拝見させていただいてよろしうございますか」「よいどころではございませぬ、さあさあこちらへ」お松はお君のいるところへ訪ねて、一緒に見物をさせてもらいに来たのは、お君の方(かた)にとってはかえって願ったり叶ったりの喜びでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君と並ぶようにして席を取って、馬場の人出を見渡したお松は、桟敷の方に目を注いでいるうちに何かに驚かされて、ただならぬ色を現わし、「お君様、この御簾(みす)を少し下げようではありませんか」総(ふさ)で絞った幕の背後に御簾を高く捲き上げられてあったのを、お君は今まで気がつきませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君様は亡くなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君様は亡くなりましたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...お君様のくれぐれの遺言もございますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...学問の考えは、深ければ深いほど落着くが、人情の考えというものは、深ければ深いほど乱れてくるものだ」「では、殿様には、何かお心を乱すような人情の思い出が、お有りあそばしますか」「有るとも、大有りだ」「伺いとうございますね」「言わん方がいいだろう、言えばいや増す思いというものだからな」「では、わたくしが代って申し上げてみましょうか、お君様のことを、お思い出しになったのでございましょう……」「うむ……いや、違う、あれはもう忌明(いみあけ)だ、思い出せば不憫(ふびん)と思いやられぬことはないが、いつまでも愛惜(あいじゃく)を追うのは、それ、冥路(よみじ)のさわりというものでな、今では、さっぱりとあきらめている、いまさら思い出して、心を傷(いた)ましむるということもないのだ」「では、奥方様のことを……」「いや、あれは愛情がない、権式があるばかりだ、正直に言うと、結婚以前から冷たいもので、今もその通り」「では、どなたのことを思い出しておいでになったのでございますか」「実はな、お松どの、君のことを考えて、つい思いに沈んでしまったのだ」「まあ、勿体(もったい)ない」と言って、お松がまたも真紅になって、うろたえる心を抑(おさ)えることができないほどです...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここに一つのたとえあり清滝川も濁りそろなにとて君様つれなさよ忍踊りを一踊り君様を...
中里介山 「大菩薩峠」
...もともと利発の貴君様にその気づかひはあるまじきなれど...
樋口一葉 「ゆく雲」
...平家の君様達と承りますれば...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...それに中の君様に結婚をおさせになりましたことは父宮様の御遺戒にもそむいたことであったと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...中将が中の君様の所へ訪(たず)ねてまいりましたと申すことはちょっと聞きましてございます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...若君様へこちらから卯槌(うづち)を差し上げられます...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...別而尊君様御方々御愁傷之程如何計歟御察し奉申上候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お妹君様もお行方を案じて...
吉川英治 「剣難女難」
...安土の主君様に御洗礼をおさずけせずに欧州へもどるのが...
吉川英治 「新書太閤記」
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