...単に名のみであっても...
大隈重信 「平和事業の将来」
...今の風炉は名のみのこるものである...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...地を美(うつくし)くせんとて今の如(ごと)くちゞみは名のみに残(のこ)りしならん...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...働き得る乗員とてはわずかに四十名のみであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...書名のみが殘り本文は削られたのであらうといふ人もあるが...
内藤湖南 「支那目録學」
...下谷の忍川(しのぶがわ)の如きその名のみ美しき溝渠(こうきょ)...
永井荷風 「日和下駄」
...ただその名のみを主張して専制の権を行なわんとするの原因よりして...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ただしこれを単に名のみしか書いてない右『救荒本草』の水莎草にあてるのはじつによい加減な想像で...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...宗武の将軍たる能はざりしに引きかへ実朝が名のみの将軍たりしはなほ慰むるに足るとせんか...
正岡子規 「墨汁一滴」
...久方の光に近き名のみして朝夕霧も晴れぬ山ざとというのが源氏の勅答の歌であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それが生憎わたくしの識らぬ名のみである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...その事情が既に不明になつて名のみ殘り...
柳田國男 「食料名彙」
...二竿(さお)とかいう地名のみで区別して行くのであるが...
柳田國男 「地名の研究」
...同じ文化の連鎖は地名のみと言わず...
柳田國男 「和州地名談」
...後(うしろ)の碑には名のみを太く書き...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...名のみは久しく聞いてゐる奧山半僧坊に詣で...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...秋の夜も名のみなりけり逢ふといへば事ぞともなく明けぬるものを (恋三...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...それでは「名のみ」を文字通りに光源氏という名の意味に解して、「光源氏という名は光るなどという言葉のためにいかにもことごとしいが、それは名のみで、実は言い消されるようなことが多いのに、なおその上内証事まで伝えた世間は口が悪い」と解すべきであるか...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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