...野村は或日同県出の竹山が自分と同じ宿に居る事を知つた...
石川啄木 「病院の窓」
...同県東諸県郡内にて...
井上円了 「おばけの正体」
...「ふむ」と、小説家は咽喉をつまらせて、今の女の一生を思ひ、それから、少年を――その顔は、腫れあがつて赤味を帯び、眼も細く、破れた着物の下には襯衣(シヤツ)があるが身体中の瘡蓋(かさぶた)のつぶれから出る血や膿(うみ)にところどころ堅く皮膚にくつついてゐた、銅銭の紙包と一しよにボール紙を持つてゐて、――それには、この子は両親も身寄もなく、しかも遺伝の病気で困つてゐるからどうかめぐんでやつてほしい、と云ふ意味の文句が、同県人より、お客さま(!)と書き副へて記されてあつたのを見ると、彼は繁華な通に出て号泣し、前に置いた箱の中へ、一銭の喜捨を乞ふ少年にちがひなかつた...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...―――「友人安藤一郎氏を御紹介する右は小生(しょうせい)の同県人にて小生とは年来親しくしている人なり君の会社に勤めつつある某社員の身元に就(つ)いて調べたい事項があるそうだから御面会の上宜敷(よろしく)御取計いを乞う」―――もう一枚の名刺を見ると...
谷崎潤一郎 「途上」
...途中道連れになつた同県の同行といつしよに宿をとつた...
種田山頭火 「行乞記」
...話し合っているうちに同県人だったので...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...黒田画伯と蓑田先生とは同県で旧知の間柄であつたのである...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...その後同県の宇和島人で...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...及び同県賀茂田方二郡の村落では...
中山太郎 「屍体と民俗」
...やむをえず同県同郡同村同姓花(はな)二十三年とでたらめを書いて渡した...
夏目漱石 「三四郎」
...父はそれを同県下の多額納税議員の某から確めたのだそうである...
夏目漱石 「それから」
...私たちと同県の阿南君が停車場に迎えてくれた...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...同県人で予備門から後(のち)文科へ入(い)った男が有ったが...
二葉亭四迷 「平凡」
...それは青森県営林局ならびに同県下営林署の人々と同行のときであった...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...また同県の川にイワシの大群が溯ったと言う(内田恵太郎博士報)...
武者金吉 「地震なまず」
...同県千葉郡二宮村)土佐の黒岩村のお石は有名なものでありました...
柳田國男 「日本の伝説」
...同県同郡下田町)越中舟倉山(ふねのくらやま)の神は姉倉媛(あねくらひめ)といって...
柳田國男 「日本の伝説」
...同県西北隅の田舎にあっては...
柳田国男 「木綿以前の事」
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