...口先ばかりで人間並みのあしらいをしていたのだ...
有島武郎 「或る女」
...それは口先ばかりでなく彼の頭の中にしかと根城を据えているのだ...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...彼等は口先ばかりで豪(えら)そうなことを言って...
大隈重信 「青年の元気で奮闘する我輩の一日」
...口先ばかりの人道家などの及ぶところではない...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...話をすれば口先ばかりえらい事を云いながら...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...皆様のおためでございます」お豊が死にたいというのは口先ばかりではないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...口先ばかりでもなんでも景気のいいことは雷同し易いから...
中里介山 「大菩薩峠」
...何事かを爲すには餘りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら...
中島敦 「山月記」
...口先ばかり叮嚀(ていねい)にしていたのとはだいぶん趣(おもむき)が違う...
夏目漱石 「坑夫」
...伯母なる人が口先ばかりの利口にて誰れにつきても根からさつぱり親切氣のなき...
樋口一葉 「ゆく雲」
...――しかもその悪態は口先ばかりではなく...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...口先ばかりで偉さうなことを喋舌るのが傷だ...
牧野信一 「サクラの花びら」
...若者が口先ばかりで終ひにびんたを試みなかつたのが遺憾であつた...
牧野信一 「夜見の巻」
...飲める酒だとか――口先ばかりで酒飲み見たいなことを喋舌つて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...非義饕餮(とうてつ)の神職より口先ばかりの陳腐な説教を無理に聞かせて...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...彼等の宣言は真に口先ばかりであったか...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...彼等の負けぬ気は口先ばかりの腸(はらわた)無しとなった...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...……サア……弟をどうしてくれますか」「そ……それはもう妾(わたし)が引受けて……」「口先ばかりではいけませんよ伯母さん...
夢野久作 「冥土行進曲」
便利!手書き漢字入力検索