...口先ばかりや勢よく...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...口先ばかりで人間並みのあしらいをしていたのだ...
有島武郎 「或る女」
...それは口先ばかりでなく彼の頭の中にしかと根城を据えているのだ...
魯迅 井上紅梅訳 「端午節」
...話をすれば口先ばかりえらい事を云いながら...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...満更口先ばかりのようにも受け取れないので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...口先ばかりでもなんでも景気のいいことは雷同し易いから...
中里介山 「大菩薩峠」
...何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄(ろう)しながら...
中島敦 「山月記」
...口先ばかりで腹の無い奴等め! 今この舟がひっくり返りでもしたら...
中島敦 「弟子」
...口先ばかり叮嚀(ていねい)にしていたのとはだいぶん趣(おもむき)が違う...
夏目漱石 「坑夫」
...伯母なる人が口先ばかりの利口にて誰れにつきても根からさつぱり親切氣のなき...
樋口一葉 「ゆく雲」
...――しかもその悪態は口先ばかりではなく...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...飲める酒だとか――口先ばかりで酒飲み見たいなことを喋舌つて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...口先ばかりでそんなことを云って一種の享楽をしているのだろう」と...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...天主教は唯一上帝を尊むとは口先ばかりで...
南方熊楠 「十二支考」
...口先ばかりの・空虚な・知識なんかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼等の宣言は真に口先ばかりであったか...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...……サア……弟をどうしてくれますか」「そ……それはもう妾(わたし)が引受けて……」「口先ばかりではいけませんよ伯母さん...
夢野久作 「冥土行進曲」
...顧みて口先ばかり景気のいい徹底家の言葉に注意を向けると...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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