...隱れたる自我の要求と何等の鬪爭なくして其要請する地位を占有することが出來...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...絶滅の恐怖は唯絶滅せしむるに忍びざる何物かを確實に占有する者にのみ許さるゝ情緒である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...然し今は物がそれを占有する...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...思ふに我國民は已に『朝鮮に於ける勢力』を占有するの虚榮を見て歡喜せり...
竹越三叉 「深憂大患」
...もしもすべての人が絶対必要として争って購買するものならば何も高い広告料を払って大新聞の第一ページの大半を占有する必要は少しもないであろう...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...商品の新聞広告で最も広大な面積を占有するものは書籍と化粧品と売薬である...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...そしてそこらじゅうにある食物をできるだけ多く占有するように両の前足の指をできるだけ開いてしっかりおさえつける...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...時季によってちがった雑草が交代して占有する順序もおもしろく...
寺田寅彦 「路傍の草」
...一人だけで占有するには忍びないほどの心持にはなっているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...ほしいままに占有することを許された形になっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...独(ひと)り彼女が占有するだけなので...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...松島の如きはその占有する所の空間広くして一見なほ幾多の時間を費(ついや)す者...
正岡子規 「俳諧大要」
...かかる抛棄された土地を直ちに占有するよりも...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...少数の人の占有する高い文化があり...
宮本百合子 「偽りのない文化を」
...人が山野を占有することは...
柳田國男 「地名の研究」
...関東に来ると広漠たる原野を自由勝手に占有することができたために...
柳田國男 「名字の話」
...飽満以上の平和を占有する時であるが...
柳田国男 「雪国の春」
...特権を占有する者と第二次的人格者として隷属する者との嫉視争闘の断える機会は永久に来ないでしょう...
与謝野晶子 「階級闘争の彼方へ」
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