...彼は明りを求めて勾欄の上にのしかかるようにして茶碗を眺めた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...車が勾欄(こうらん)の際(きわ)へぴったりと引き寄せられても...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...三階の勾欄(てすり)のあたりを見上げた時...
中里介山 「大菩薩峠」
...余等の近くに鐵の赤く塗つた勾欄へ倚りかゝりながら遠くを見て居る印袢纒の一群がある...
長塚節 「旅の日記」
...勾欄の端に太夫の姿が現れた...
長塚節 「菜の花」
...私が障子の外へ出て見ると勾欄に両手をついて入江を見て居たのが障子をはたと締めて引つ込んで畢ふ...
長塚節 「隣室の客」
...私が障子の外へ出て見た時女は座敷を出て勾欄に近く入江を見て立つて居た...
長塚節 「隣室の客」
...彼は勾欄(てすり)につらまって何度も下を覗(のぞ)いて見た...
夏目漱石 「道草」
...すると兵衛佐は勾欄(こうらん)にもたれて手水などされてから...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...塗(ぬ)りの勾欄(こうらん)に身をもたせて...
吉川英治 「剣難女難」
...そして羞恥(はじ)らってでもいるような気配が朧(おぼろ)な勾欄(こうらん)のあたりでしていた...
吉川英治 「私本太平記」
...勾欄(こうらん)の外型(そとがたち)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...また三太郎猿(さんたろうざる)が勾欄(こうらん)の上をいったりきたりしながら...
吉川英治 「神州天馬侠」
...勾欄の一角に錦繍(きんしゅう)の幟(のぼり)が立った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...すでに壊れている勾欄(こうらん)の一部をもぎ取り...
吉川英治 「平の将門」
...各層の勾欄(こうらん)や斗拱(ときょう)もおのおの五通りに違う...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...その軒や勾欄や斗拱がまた相互間に距離を異にしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...外側にペンキ塗りの勾欄(こうらん)がついていて...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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