...画題は〈楊貴妃〉それもあの湯上りの美しい肌を柔らかな羅(うすもの)に包んで勾欄(てすり)に凭れながら夢殿の花園を望んで見ると言った構図で...
上村松園 「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」
...勾欄(こうらん)のところに美人がゐる絵を描いて出しました...
上村松園 「旧い記憶を辿つて」
...湖に突き出た岬の一角には藤原時代の釣殿が水に近く勾欄を横え...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...勾欄(こうらん)のほとりに彳(たゝず)んでみたり...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...とある渡殿(わたどの)の勾欄(こうらん)のもとにうずくまって...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...勾欄(こうらん)つきの縁側まで見えているが...
中里介山 「大菩薩峠」
...余等の近くに鐵の赤く塗つた勾欄へ倚りかゝりながら遠くを見て居る印袢纒の一群がある...
長塚節 「旅の日記」
...勾欄の端に太夫の姿が現れた...
長塚節 「菜の花」
...座敷の障子を開けておけば雨の入江が勾欄から見える...
長塚節 「隣室の客」
...まして障子が開け放しになつてからは私は自分の座敷の前の勾欄から海を見て居る時僅に其座敷を振り返つて見る事にさへ恐怖心を抱いて居た...
長塚節 「隣室の客」
...――本能寺の勾欄は今や焼け落ちんとしてゐる...
牧野信一 「蘭丸の絵」
...各層とも勾欄(こうらん)の付いた広縁(ひろえん)が廻してあり...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...三方に丹塗(にぬり)の勾欄(こうらん)のある廊をまわし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それらの勾欄(こうらん)から勾欄へ架するに虹のように七つの反橋(そりばし)をもってした...
吉川英治 「三国志」
...勾欄(こうらん)には鳳龍(ほうりゅう)の彫琢(ちょうたく)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...勾欄(こうらん)を繞(めぐ)らした高舞台そのものが土俵である...
吉川英治 「新・水滸伝」
...はやくも床下柱(ゆかしたばしら)から勾欄(こうらん)をよじ登って来て...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その軒や勾欄や斗拱がまた相互間に距離を異にしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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