...互に相剋しつゝ結局鏡のやうな波のない水面を造り出すに至るのと同様である...
有島武郎 「運命と人」
...午の剋から数百人の人夫が和卿の采配に従ひ...
太宰治 「右大臣実朝」
...専ら例の政治的な国内相剋緩和のための文学のように見える...
戸坂潤 「一九三七年を送る日本」
...愛と憎悪との矛盾相剋(そうこく)にさいなまれた彼は...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...下の者が順々に上を抑へ付けて行くのを下剋上といふやうに考へるものがあります...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...何うするか見あがれツ」五十男の一剋(こく)な松五郎は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日頃から一剋者(こくもの)の百助でしたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...結局一種の相剋状態ではあるまいか...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...女にとって職業か家庭かという苦しい疑問を常に抱かせて来たさまざまの相剋は...
宮本百合子 「異性の間の友情」
...大小説というものは、そこにこめられている人間的善意の諸様相がどんなにリアリスティックに描かれているかと(ママ)いうと、その矛盾、相剋すべてが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自然を剋服してゆくものとして明瞭です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...相剋(そうこく)...
矢部貞治 「政治学入門」
...相剋の中でも一番恐ろしい相剋なのだから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...或ひは骨肉相剋の血みどろをしたのでありますが...
吉川英治 「折々の記」
...大義と閨門(けいもん)とはいつも相剋(そうこく)し葛藤(かっとう)する――...
吉川英治 「三国志」
...ついに剋(か)てないでその側室(そくしつ)となったのもぜひがない...
吉川英治 「新書太閤記」
...愛する者の涙に打ち剋(か)つことだった」と...
吉川英治 「随筆 新平家」
...秀吉の手中において一世紀来の下剋上の趨勢が突然打切られようとしていたことをわれわれは見のがしてはならない...
和辻哲郎 「鎖国」
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