...かけ一枚(いち)なんぞは刹那主義(せつなしゆぎ)だ...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...第三に位する巨刹なり...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...その一刹那に、馬上の人も戰慄した...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...手紙を読んだ一刹那...
薄田泣菫 「茶話」
...この現世離れのした幽艶なきらびやかさが刹那の私から観察の自由を剥奪した...
谷譲次 「踊る地平線」
...「刹那(せつな)に千金を惜しまず」と髯なき人が葉巻の飲(の)み殻(がら)を庭先へ抛(たた)きつける...
夏目漱石 「一夜」
...はっと思う刹那(せつな)を一番早く飛び超(こ)えたものが勝になる...
夏目漱石 「虞美人草」
...けれども眼ざとい白川はこの刹那の変化を見のがしはしなかつた...
平出修 「瘢痕」
...大きな月が幾つもそこでは満ち欠け――くり――かえし――くりかえし――夜のひと刹那ごと――とこしえに変転する地――そこでは星影さえも消えてしまう青白い顔した月たちの吐く息のために...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...刹那的の嫉妬感で...
牧野信一 「小川の流れ」
...聞いた刹那に彼は...
牧野信一 「山を越えて」
......
槇村浩 「長詩」
...ちょうどその刹那に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幻滅」
...そのしんとした刹那(せつな)に...
山本周五郎 「山彦乙女」
...ところが、豪胆(ごうたん)といおうか、大気といおうか、若衆は、刹那に、わが足のつま先を以て剣の如くにし、引くべきを反対に、いきなり土佐犬の口の中へ――腹まで通れとばかり強く突ッ込んだのであった...
吉川英治 「大岡越前」
...ときにおぬしはどうなのだ」「のそのそ遅く入洛したため、名からして地獄の入り口みたいな、羅刹谷の山荘に、先ごろおちつきを得たばかりだ」「いちど佐女牛の邸へも遊びに来て欲しいな」「いや貴公は、それどころではあるまいに」「なぜ」「隠岐遷(おきうつ)しの警衛に赴(ゆ)くとあっては容易でない...
吉川英治 「私本太平記」
...……ところで主膳、その腰抜け振りで、どう先ごろの雪辱をいたす気か」「こんどこそ、きっと致さねば、一分が相立ちませぬ」「羅刹谷から小右京の身を奪(と)り返す策でもあるか」「いえ、羅刹谷へは、しょせん手が出せませぬ...
吉川英治 「私本太平記」
...五人斃(たお)れた血煙の霧だろう――と見れば刹那に弦之丞の姿...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??