...此の如き刹那は固より吾人にとつて甚だ稀に許さるゝ刹那である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...僕の刹那的燃燒が全人的に行つた時よりほかに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「一刹那にも苦樂の交替があるのは事實だが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...刹那に永遠を把む人です...
高神覚昇 「般若心経講義」
...レントゲン線ガ通過スル刹那ノ一瞬間ハ呼吸ヲ止メテ下サイト云ワレル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...油断を見せた一刹那――小太郎は...
直木三十五 「南国太平記」
...そして、眞夜中過ぎの劇しい寒さにこごえたやうな電燈の光の薄暗さ、刹那の不快さは、何時の間にか恐怖の念に變つて來た...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...どうもその好奇心が漏斗の底へ吸ひ込まれる刹那が近づけば近づくほど...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...そして百合の膝の上の手を執らうとした刹那に私は...
牧野信一 「競馬の日」
...天狗の脚が弾道を描いて地に降りやうとする刹那に...
牧野信一 「バラルダ物語」
...画のように一刹那を捉(とら)えて遣っているわけにはいかないのだ...
森鴎外 「かのように」
...そこで男は精一ぱい心を今の一刹那(せつな)に集中しようと思った...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...天狗の方にも名山霊刹(れいさつ)の彼らを仏法の守護者と頼んだもの以外に...
柳田国男 「山の人生」
...そして理解した刹那(せつな)に激しい絶望的な自己嫌悪にうちのめされ...
山本周五郎 「菊千代抄」
...電車に轢(ひ)かれ損(そこ)なった刹那の光景を幻視して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その女性の影を見たとき――そして捕縄(ほじょう)に手をふれた刹那には...
吉川英治 「大岡越前」
...両方から刹出(せっしゅつ)して...
吉川英治 「三国志」
...羅刹谷の元の家へ入れて...
吉川英治 「私本太平記」
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