...刹那も強く弾力ある...
伊藤野枝 「日記より」
...その片足をかけた刹那に...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...と、その刹那、ドッと湧起る驚愕の叫声...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...一刹那(いっせつな)...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...彼池の滸(ほと)りの一刹那(いっせつな)を思うては...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...単にわが主人公の青年時代の初期の一刹那(いっせつな)のことにすぎない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...それは只一刹那の事で...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...けれども眼ざとい白川はこの刹那の変化を見のがしはしなかつた...
平出修 「瘢痕」
...「それにしても、じれってえなあ――お武家さん、そんな女形(おやま)一人を、いつまで、持てあましているのかねえ――相手がもっと弱むしなら、このおいらが助勢に出てやるのだけれど、どうもあぶなくって近づけないよ」その、嘲罵(ちょうば)に、唆(そそ)り立てられたのでもあるまいが、その刹那、平馬の振りかざしている烈剣が、闇の中で、キラリと一閃したと思うと、二闘士のからだがからみ合って、大刀と、短剣とが、火花を散らした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...十頭の羅刹(らせつ)のために大海を将ち渡され...
南方熊楠 「十二支考」
...これが目にはいった刹那(せつな)は恐ろしい気さえしたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...為事に掛かった刹那(せつな)に...
森鴎外 「花子」
...その麓(ふもと)の谿間にこの巨刹(きょさつ)が休んでいる...
柳宗悦 「全羅紀行」
...そう気が付いた刹那(せつな)に僕はモウ一度気が遠くなりかけたね...
夢野久作 「焦点を合せる」
...後悔臍(ほぞ)を噬(か)む共及ばぬような大事件が出来(しゅったい)するその最初の一刹那なのである...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...それから刹那の先に見た...
吉川英治 「江戸三国志」
...とまれまだ人界の礼拝(らいはい)の上に燦(かがや)いていた名刹(めいさつ)瓦罐寺(がかんじ)も...
吉川英治 「新・水滸伝」
...刹那(せつな)主義に傾くし...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
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