...されど最も面白かりしは今日中野君と行って見たる十刹海(じっさつかい)の遊園なるべし...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...凡ての刺戟を其儘に受け入れて全力を刹那々々に用ゐ盡すを得る者は非常な強者である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この一刹那に、先生方と上級生は手々に鋏を持って教場に闖入し、手当り次第チョン髷を切落した...
伊波普猷 「私の子供時分」
...無理想の刹那的充實を主張する義雄に取つては...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...火の樣な自我と燃えてゐる刹那は...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...人の子まさに溺死(できし)せんとの刹那(せつな)...
太宰治 「二十世紀旗手」
...彼はその刹那(せつな)...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...斧の下る刹那を泰然と待っていました...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「自責」
...例えば文学主義に於ては刹那的・印象的・放言というようなものとなる処を...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...もうどう焦慮(あせっ)ても鼓膜(こまく)に応(こた)えはあるまいと思う一刹那(いっせつな)の前...
夏目漱石 「草枕」
...この時まで気がつかなかったがこの急劇なる方向転換の刹那(せつな)に余と同じ方角へ向けて余に尾行して来た一人のサイクリストがあった...
夏目漱石 「自転車日記」
...急に球を抛(な)げると両手で受け留むる刹那(せつな)...
南方熊楠 「十二支考」
...そしてその刹那(せつな)に...
山本周五郎 「新潮記」
...次の刹那(せつな)にもう直(す)ぐ前へ一歩...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...彼が無造作に次郎を鷲づかみに取って役げた刹那...
吉川英治 「江戸三国志」
...孟獲も孟優もわっと叫び、蛮娘連をその剣もろとも蹴とばして、輪の外へ躍り出たが、刹那に、楊鋒の五人息子やその一族が、どっと蔽(おお)いかぶさって、縄をかけてしまった...
吉川英治 「三国志」
...まいろうか」別れ去ろうとする刹那...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこは薊州(けいしゅう)城外の古刹(こさつ)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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