...國府臺に上れば、掛茶屋の女、左右より呼び迎ふれども、嚢中餘裕なければ、唯佇立して、葛飾の平田を見渡し、三里の外、凌雲閣や、數百の煙突に代表せられたる東京を望む...
大町桂月 「川魚料理」
...凌雲岳を右にして行くに...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...その噴火口は波状の平原に連(つらな)れるが、摺鉢(すりばち)の如くには深く陥(おちい)らず、大皿の如くにて、大雪山の頂上は南北三里、東西二里もあるべく、その周囲には北鎮岳、凌雲岳、黒岳、赤岳、白雲岳、熊ヶ岳、など崛起(くっき)し、南に連りて旭岳孤立す...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...凌雲岳が七千三十二尺...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...山の上には人が沢山(たくさん)停車場から凌雲閣(りょううんかく)の方を眺めている...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...凌雲閣上(りょううんかくじょう)人(ひと)豆のごとしと思う我を上より見下ろして蛆(うじ)のごとしと嘲りし者ありしや否や...
寺田寅彦 「半日ある記」
...平安朝時代の詩文の集は凌雲集...
内藤湖南 「平安朝時代の漢文學」
...当時凌雲閣の近処には依然としてそういう小家(こいえ)がなお数知れず残っていたが...
永井荷風 「寺じまの記」
...浅草の旧地では凌雲閣(りょううんかく)の裏手から公園の北側千束町の路地に在ったものが...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...十万坪の別荘を市の東西南北に建てたから天下の学者を凹(へこ)ましたと思うのは凌雲閣(りょううんかく)を作ったから仙人(せんにん)が恐れ入ったろうと考えるようなものだ……」聴衆は道也の勢(いきおい)と最後の一句の奇警なのに気を奪われて黙っている...
夏目漱石 「野分」
...凌雲閣(りょううんかく)へのろうが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...宇治の鳳凰堂(ほうおうどう)のような五層楼――凌雲閣を睨(にら)む人に正直正太夫(しょうじきしょうだゆう)の緑雨醒客(りょくうせいきゃく)のあるのも面白い...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...すなわち一は凌雲の大竹にして一は矮形の小竹なり...
牧野富太郎 「植物記」
...同廿二年盛夏改稿)十二階懐古これやこのピサの斜塔にあらねども凌雲閣はなつかしきかな...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...いつも凌雲閣十二階高塔の赤煉瓦が存してゐる...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...それは凌雲閣を少し横へ寄せて団扇いつぱいの高さに画いて...
正岡子規 「病牀六尺」
...下の方は少しばかり森のやうなものを凌雲閣の麓(ふもと)に画いて...
正岡子規 「病牀六尺」
...凌雲(りょううん)の気 堂々の男誰とかなす押牢(おうろう)の蔡福(さいふく)なれ青鸞(せいらん)の帯無角(むかく)の頭巾(ずきん)歩むところ 草木おののき声きけば哭(な)く子もやむ名(つ)けたりな そのアダ名も鉄臂膊(てっぴはく)とはこれは兄の方だが...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索