...漣が硯友社の凋落(ちょうらく)した後までも依然として一方の雄を称しておるは畢竟(ひっきょう)早くから硯友社埒外(らちがい)の地歩を開拓するに努めていたからだ...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...結局は落語の凋落をいかに早めたかを省るがいい...
武田麟太郎 「落語家たち」
...いまは凋落(ちょうらく)の一途(いっと)にあったようです...
田中英光 「オリンポスの果実」
...いわば花を開かずして凋んでしまったのですな...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...唯一夜に正しく湯煎(うで)られた様に凋(しお)れて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...貴族社会の凋落と...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...凋落(ちょうらく)はほど近い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...古典韻文の既に全く凋落(ちょうらく)した近代に至っても...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...彼女がさわるとたちまちに凋(しお)れた花束のことや...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...あれらの花が凋まぬ間にあの壺をあけて...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...あれらの花が凋まぬ間にあの壺をあけて...
牧野信一 「山彦の街」
...他からは凋(しぼ)むだ花のやうに見られてゐるのであツた...
三島霜川 「平民の娘」
...色が褪(さ)めて凋(しぼ)んだやうになつて見える造花(つくりはな)の花籠(はなかご)とが乗りかツてゐた...
三島霜川 「平民の娘」
...花紅紫赤、又、濃き淡きあり、春末初めて発し夏中最も盛り、秋冬凋まず、続々開拆す、四時翫好蕪靡愛すべし、今年初めて禁離に種ゆ、物、地を得て美を増す、数十の名花ありと雖も傍色香なき若し...
南方熊楠 「きのふけふの草花」
...Enfance finie今日の命の囁くは何れの方か恋しきと夢は静かに漕ぎ下るあやなき春のさくらばな君が心は木の間より流れて見ゆる野の景色空は凋みて知りがたきものの行衛にうつろひぬそれとし見れば人の住む草より月の上りたり貴き声よわが手よりはつかに蝶を舞はしめよこれや潮満つ野の川のかなしき星を沈めつつ風吹くと知り眠りしが夢はしづかに漕ぎ下るあやなき春の菜の香り...
三好達治 「測量船拾遺」
...またしとやかに雇人の不実や夫の放蕩や己れの老衰凋落のやるせなさなどに堪えられるように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...又孔子は「歳暮れ天寒くして百木は風霜の爲めに凋落するに至りて...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...美には凋落の傾きが見える...
柳宗悦 「雑器の美」
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