...この頃のうそ寒(さむ)にも凋(しお)れていない...
芥川龍之介 「奇遇」
...この手(て)が付(つ)くと凋(しぼ)んでゆく...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「癩病やみの話」
...近世のブルジョア社會の中にその生活條件を萎微凋落させられた者は...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...唯一夜に正しく湯煎(うで)られた様に凋(しお)れて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...日間(ひるま)は草木も人もぐったりと凋(しお)るゝ程の暑さ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...「明日(あした)書斎の花を取換えてくれない? もう凋んでしまったから...
豊島与志雄 「子を奪う」
...凋(しぼ)んだ月見草の花片(はなびら)を見つめている事もあります...
夏目漱石 「行人」
...古典韻文の既に全く凋落(ちょうらく)した近代に至っても...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...かくもお前の青春を凋(しぼ)ませたあの女は...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...吐き出すだけの溜息の源も尽きて風船玉が凋んで行くやうに吐息の音が次第にかすれて来たかともおもふと...
牧野信一 「夜見の巻」
...近ごろ本邦村落の凋落はなはだしく...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...この眼で凋びた顔をして可笑しげな帽子をのせているブルジョア裁判官と...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...又孔子は「歳暮れ天寒くして百木は風霜の爲めに凋落するに至りて...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...庭の桜の花が少し凋れて見えた...
横光利一 「父」
...今日は山羊も凋(しお)れて悲しげである...
横光利一 「夜の靴」
...彼は幸子のため凋れた気持ちを何より先ず慰めてやりたかったが...
横光利一 「旅愁」
...自然の凋落(ちょうらく)を急ぐかに思われた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...はや凋落(ちょうらく)を示して来たものは...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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