...半ば凋んだ薔薇の花の熱を病んだやうな匂はわしの頭脳に滲み込んだ...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...竹藪の枯凋しているのを眺め...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...紅葉は木の葉の凋落(ちょうらく)する前の一現象であって...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...下葉(したは)の褐色(かっしょく)に凋(しお)れて乾(かわ)いた萩や白樺や落葉松や...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...凋落(ちょうらく)はほど近い...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そっと凋(しぼ)まない花を花環に編んで...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...日にあたると凋(しぼ)んでしまうのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...即ち近代に於ける古典韻文の凋落(ちょうらく)を...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...凋(しほ)れかへる甚之助(じんのすけ)が人目(ひとめ)に遠慮(ゑんりよ)なきを浦(うら)やみて...
樋口一葉 「曉月夜」
...いよいよ私の凋落する番が来たなど思ひもしないことをつひ云つてしまつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「お助けを!」輕侮(けいぶ)の念が冷くロチスター氏の心に來た――何か障礙(しやうげ)が凋ませて了つたやうに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...町の木々が秋をも待たずに凋れかけ...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...孔雀が翼(はね)を凋めるやうに静かに欄干(てすり)に凭り掛りました...
牧野信一 「青白き公園」
...カキツバタが凋(しぼ)んでしまうまでここにいたいという感じです...
牧野富太郎 「植物記」
...ただ風を待つ凋(しお)れた花,その風が吹く時は……...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...ただ手折つて來た花が縁側の上に凋れて影を映してゐるばかり...
横光利一 「榛名」
...真紀子に突き刺さろうとしていた棘も朧ろに凋んでいくのを感じた...
横光利一 「旅愁」
...自然の凋落(ちょうらく)を急ぐかに思われた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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