...そこではお律(りつ)がいつもに似合わず...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...理屈をいう人に似合わず解らない老人(としより)だ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...いかめしい姿に似合わず...
海野十三 「火星兵団」
...そのようすは年に似合わずいかにも元気に見なされた...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...おとしに似合わず...
太宰治 「斜陽」
...悦子が子供に似合わず寝つきが悪く...
谷崎潤一郎 「細雪」
...初会(しょかい)にも似合わず...
田山花袋 「田舎教師」
...顔に似合わず、彼女もやはり女であった...
徳田秋声 「仮装人物」
...急にまるで年に似合わずひどく老けこんで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そのお妾(めかけ)さんが百姓出の娘には似合わず...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの工事中のいずれに於てもまだ見かけなかったこと! この少年が鄙(ひな)に似合わず...
中里介山 「大菩薩峠」
...容貌に似合わず小才の利く男で...
中島敦 「牛人」
...今時の女の子に似合わず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...農家に似合わず学問好きな人であったらしく...
柳田国男 「故郷七十年」
...本人自身はその背負っている刺青の威勢のヨサにも似合わず...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...忌日忌日の法事も若いのに似合わず念入りに執行(とりおこな)って...
夢野久作 「巡査辞職」
...「どうだい、どこか体でも痛むかね」この人物、丹頂のお粂(くめ)に襟(えり)をつまんで追い出される程、顔に似合わず、婦人には喉を細めて親切な声がらです...
吉川英治 「江戸三国志」
...欅が大木であるに似合わず小さい優しい形で...
和辻哲郎 「松風の音」
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