...以前から非常に遠慮深い時と...
犬養健 「朧夜」
...あんなに小さい質素な花で満足しているその遠慮深い小心さは...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...主として遠慮深いといふ事と...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...遠慮深い人柄な人で...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...それであんなに遠慮深いのだね...
土田耕平 「時男さんのこと」
...遠慮深い小さな声で言っているのであったがさすがにきのうの大宮の車夫とはちがって...
寺田寅彦 「写生紀行」
...遠慮深い小さな聲で云つて居るのであつたが流石に昨日の大宮の車夫とはちがつて...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...彼女は変に遠慮深い――というよりも...
豊島与志雄 「女客一週間」
...「若い者達はなかなか遠慮深いとみえる...
豊島与志雄 「人の国」
...大層遠慮深いぢやないか」「へエ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その上遠慮深い性(たち)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だが俺は遠慮深いので紳士になれねえのかも知れねえぜ...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...妙に遠慮深いことばかり云はれちや困つてしまふな――ねえ...
牧野信一 「露路の友」
...遠慮深いおみつの笑聲もまじつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...呼鈴もたった一つきりしか鳴らない遠慮深いところからみると...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...よし君が友人中の長も遠慮深い人であつたとしても...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「不可説」
...母の方では、東京のような風儀の好くない土地にいて、女の事について何事もなかった倅(せがれ)の、遠慮深い口から、どうでも好いというのは、喜んで迎える気になっているのだと思って、直ぐに話を運ばせた...
森鴎外 「蛇」
...その強い個性によっておのれの独自の世界をきり開いて行こうとする努力と、遠慮深い、他人の気を兼ねる習癖とが、藤村においてはいや応なしに結びついてしまったのである...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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