...」と打捨るやうに仰有いました...
芥川龍之介 「地獄變」
...でも玄関で帰るつて仰有(おつしや)りはしないかしら」着ずまひを直しながら常子はもう小刻みに扉口(ドアぐち)に急いだ...
犬養健 「朧夜」
...ソバカリは「仰せのとおりに致しましよう」と申しました...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...エッフィンガムのホワアド卿がノッチンガム伯爵の創立を仰せつかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...廿八日、乙巳、相模国相漠河の橋数ヶ間朽ち損ず、修理を加へらる可きの由、義村之を申す、相州、広元朝臣、善信の如き群議有り、去る建久九年、重成法師之を新造して供養を遂ぐるの日、結縁の為に、故将軍家渡御、還路に及びて御落馬有り、幾程を経ずして薨じ給ひ畢んぬ、重成法師又殃に逢ふ、旁吉事に非ず、今更強ち再興有らずと雖も、何事の有らんやの趣、一同するの旨、御前に申すの処、仰せて云ふ、故将軍の薨去は、武家の権柄を執ること二十年、官位を極めしめ給ふ後の御事なり、重成法師は、己の不義に依りて、天譴を蒙るか、全く橋建立の過に非ず、此上は一切不吉と称す可からず、彼橋有ること、二所御参詣の要路として、民庶往反の煩無し、其利一に非ず、顛倒せざる以前に、早く修復を加ふ可きの旨、仰出さると云々...
太宰治 「右大臣実朝」
...土間へ仰向きに転げたかと思うと...
谷崎潤一郎 「少年」
...それは神を信仰している立派なキリスト教徒で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...仰向(あおむ)けになってこと切れているのでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中で御徒士町の吉田樣の御孃樣百枝(もゝえ)樣と仰しやる方が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...信仰は空に影さす...
萩原朔太郎 「岩魚」
...人々が振仰ぐ方向に視線を向けると...
原民喜 「死のなかの風景」
...花輪の一箇一箇が出来るだけ大仰(おおぎょう)に足を高々とつけて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」「そんなことを仰有らないで一寸下りて入らしってくださらない……」「厭だな...
室生犀星 「三階の家」
...男は仰向いて微笑みながら...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...結局その帰趨(きすう)と仰ぐものは...
柳宗悦 「民藝四十年」
...銅像建設に関する一切の事務を川村書記に任せると一言仰言って下さい...
夢野久作 「少女地獄」
...明日(あす)のこの世はどうなる事やら?」思わず、空を仰いで、わしは嘆息した...
吉川英治 「茶漬三略」
...老先生が仰っしゃって下さいました...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
便利!手書き漢字入力検索