...……愛憎なし恩怨なし...
種田山頭火 「其中日記」
...自分の魂を打ち込んで焦心苦慮したことがまるで水の泡になってしまったことを慨(なげ)いても歎(なげ)いても足りないで私はひとり胸の中で天道を怨みかこつ心になっていた...
近松秋江 「霜凍る宵」
...肉体は欲望や怨恨(えんこん)を口にし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...親分さん」「白旗直八が目隠しをしたままのを刺したのかい」「え」「殺すほどの怨みは何だ」「あの男が五年前のことをぺらぺら喋舌(しゃべ)ったばかりに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...餘つ程怨があるやうで――」笹野新三郎はその答が不滿足らしく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「娘を怨んでいるのは又六ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少くとも三文字屋を怨んでいるといふ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「主人を怨んで居るものはないか」平次は一歩突つ込むと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「彈丸(たま)は何處から來たか、見當くらゐはつくだらう」「空から來たやうでもあり、庭から來たやうでもあり、見當なんか付きやしません」「障子は締めて居たのか」「薄寒いのに、開けつ放しで呑むのが癖でした」「誰か主人を怨む者はあつたことだらう」「それはもう、怨む者だらけで、良く言ふ者なんか、江戸中に一人もありやしません」妾の口から斯(か)う言ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...怨めしい位で――」「無駄が多いな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...家内は人に怨(うら)みを受ける筈も無し」彦四郎もひどく困惑してゐる樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...之を喩(たと)えば青天白日、人に物を盗まれて、証拠既に充分なるに、盗賊を捕えて詮議せんとすれば則ち貪慾の二字を持出し、貪慾の心は努(ゆめゆめ)発す可らず、物を盗む人あらば言語を雅にして之を止む可し、怒り怨む可らず、尚お其盗人が物を返さずして怒ることあらば、暫く中止して復た後にす可しと教うるが如し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...こうなると皆のことを怨みに怨んでいた昨日までのことが...
正岡容 「初看板」
...」薬剤師は涙をためて私を怨めし相に睨め...
松永延造 「職工と微笑」
...どこの何人(なんぴと)を怨みようもありませぬ...
夢野久作 「暗黒公使」
...いやそれより私の発見しつつある蒼鉛と珪酸ジルコニウムの化合物に関する方程式を盗まれたと思い込みいつも一番激しく彼を怨んでいたのは私ではなかったか...
横光利一 「機械」
...周都督から怨まれていることでもあったのか」と...
吉川英治 「三国志」
...旧怨などは何もない」「それにしては...
吉川英治 「三国志」
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