...既にして両軍戈を宇治勢多に交ふるや...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...中なる剃手(そりて)と次の如き会話を交ふるを聞くであらう...
石川啄木 「葬列」
...蛍の飛び交ふのを見ても...
田山録弥 「百合子」
...稻の葉に止まつた可憐な姿又籠の中の小天地に元氣に飛び交ふ樣などを飽かず眺めて樂しむのであつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...不潔な燈火の下を飛び交ふこれらの新奇な鼻音と...
富永太郎 「断片」
...生ものとては火口に飛び交ふ燕のむれだ断崖の影にかくれて燕窩にならぶ幼い卵だ飛翔の夢だお...
仲村渠 「頂上」
...十時を過ぎて日本の空に行き交ふ放送電波がなくなると...
成澤玲川 「ラヂオ閑話」
...人間はまことのこゝろ交ふが道なり...
林芙美子 「浮雲」
...行き交ふ人々のうち誰ひとり知つてゐる者がない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...法師の湯廊を行き交ふ人の皆十年ばかりは事無かれかし法師温泉は今時珍しい山の中の温泉で電灯さへない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...そこで湯に入る為に「廊を行き交ふ」ことになる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...其施政の際に一毫の私意を交ふ可らず...
福沢諭吉 「帝室論」
...また硝子窓の外を行き交ふ往来の人の上半身の働き...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...自動車や機関車が文明の煙りを挙げて往き交ふてゐる繁華な駅路へ向つて...
牧野信一 「剥製」
...されど吾等は飛び交ふ...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...されど吾等は飛び交ふ自由自在に生と死と限り知られぬ海原に天と地の定めも忘れ野の果に翻つては飛んで行くただ知る...
牧野信一 「変装綺譚」
...電車や自動車の行き交ふ大通へ足を入れるのが自分ながら危險に思はれるくらゐに頭が亂れてゐる...
正宗白鳥 「假面」
...其坐談には諧謔を交ふることをも嫌はなかつただらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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