...あのこつ/\と丹念に働く兄の鶴吉の顔にも快(こゝろよ)からぬ黒ずんだ影が浮んだ...
有島武郎 「お末の死」
...母は丹念にそれを拾って自分の口に入れた...
有島武郎 「星座」
...お通は昨日の道筋をさらに丹念に探してから駐在所の方へ急いだ...
犬田卯 「錦紗」
...母が買ってくれた江戸絵の美しい木版画を丹念に写したりしたものです...
上村松園 「画筆に生きる五十年」
...その細い売買数量を丹念に別紙へ筆写しはじめた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...どうやら煙草の錫箔(すずはく)を丹念に溜(た)めて...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...彼女は意地悪の指で丹念に手紙を畳むと...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...高いところに咲いた花を丹念につんでいる...
高見順 「いやな感じ」
...写したとはいいながら原作が優れており自分も手間をかまわず丹念にやった仕事であるので...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...丹念に読まれて所々に目印の紙片が貼りつけられてるものらしい...
豊島与志雄 「浅間噴火口」
...苦茶苦茶になったものを丹念に引き伸ばしつつあった手を留めて...
夏目漱石 「それから」
...手間とヒマをかけて丹念にむきながら...
久生十蘭 「あなたも私も」
...細いピンセットを使って丹念に一本ずつ髯を植え始めた...
久生十蘭 「魔都」
...ちょうどその日が日曜に当っていたのである――それから頬が本物の繻子(しゅす)のようにすべすべして光沢(つや)の出るまで丹念に顔を剃(あた)り...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...ケエラに於ける彼女たちの日々を丹念に日記に書きはじめたのも...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...数年前に丹念に読んでいろいろ書き入れまでもした書物を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こんなとこじゃ買わない」市場を出て四五軒の八百屋を丹念にさがしまわり...
山川方夫 「演技の果て」
...丹念にマットレスを編みあげる...
山本周五郎 「季節のない街」
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