...お通は昨日の道筋をさらに丹念に探してから駐在所の方へ急いだ...
犬田卯 「錦紗」
...丹念にお米を量っては桶(おけ)の中へ入れていたって云いますよ...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...一枚づつ丹念に「ばれん」でこすつたのであらう...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...科学そのものをどんなに丹念に穿鑿しても決して手懸りは見つかるまい...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そしてこの文化的に愛嬌さえある文章の一つ二つを丹念に読み...
戸坂潤 「読書法」
...しかも丹念にひっくり返して検(しら)べてみるのであった...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...丹念に手の爪を磨くのとだけは...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...丹念に燃やそうとする...
豊島与志雄 「ものの影」
...丹念に写生図を作った...
中谷宇吉郎 「私の履歴書」
...苦茶(くちや)々々になつたものを丹念に引き伸(の)ばしつゝあつた手を留(と)めて...
夏目漱石 「それから」
...丹念にメモする癖で...
火野葦平 「花と龍」
...ペンナイフで傷口を広げ化膿止め液につけて丹念に洗浄した...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...そこの小使らしい男が雪泥の上に丹念に石炭殻を撒(ま)いていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...私はこの村のあちらこちらを丹念に思ひ浮べて見ました...
堀辰雄 「匈奴の森など」
...ほんとにお前だけがおれの……お前だけがおれの……」それからエザウを丹念に長椅子の上にねかせると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...始めから終まで丹念に読むのが楽(たのし)みのひとつで...
水上滝太郎 「果樹」
...丹念にパルティア人の帯びていた武器のことを特記している...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...丹念に見ていたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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