...大なる理想はしつかりとその生活の上に根を卸して丹念に誠※に現實の卑さを淨化する努力を指導するものでなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...丹念にかの器械の嘴を突きたてては...
海野十三 「深夜の市長」
...たいてい腰を曲げて盆栽(ぼんさい)や草花などを丹念にいじくっている...
田山花袋 「田舎教師」
...兎に角細かい内面が丹念に書いてある...
田山録弥 「小説新論」
...壊れないように丹念に一つ一つ紙で包んで仕舞ってある...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...看護婦の方々と共に丹念に見本帳を利用され...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...丹念に工夫を凝(こ)らしていたが...
徳田秋声 「挿話」
...垢のたまった小指の爪で長い間かかって丹念に掻きとると...
久生十蘭 「魔都」
...丹念にメモして置くことを忘れなかった...
火野葦平 「花と龍」
...その頭板の上から第二の窓を丹念に調べてみた...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...そこの小使らしい男が雪泥の上に丹念に石炭殻を撒(ま)いていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...彼女等は丹念に――彼女等の顔は洗ふところなどを見たこともない彼は...
牧野信一 「山を越えて」
...女性に関する関心が丹念に深さを進めていることが...
正宗白鳥 「弔辞(室生犀星)」
...前歯の間で丹念に二つにわって行った...
宮本百合子 「雲母片」
...わずか残ったバケツの水で丹念に葉を洗い...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...白い指先きが、丹念に、いくども折り直しながら手巾を小さく畳んでゆく...
山川方夫 「昼の花火」
...川の水で両手を丹念に洗った...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...丹念に探しまわってみると...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
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