...あのこつ/\と丹念に働く兄の鶴吉の顔にも快(こゝろよ)からぬ黒ずんだ影が浮んだ...
有島武郎 「お末の死」
...靴をはいて」と一々丹念に注意してゐた...
犬養健 「朧夜」
...また丹念に大學ノートに貼りあつめて...
小穴隆一 「二つの繪」
...中には日付の下に英文でビッシリと何か丹念に書きつけてあった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...和尚さんはそばで桑切り庖丁で丹念に細く刻(きざ)む...
田山花袋 「田舎教師」
...それを丹念に読んでる母……昔からその通りで...
豊島与志雄 「童貞」
...丹念に十能の上に置いたまま...
中里介山 「大菩薩峠」
...見るだけでももう少し丹念に金の鯱を見ておけ...
中里介山 「大菩薩峠」
...周りは丹念に耕やされた石の畑に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...丹念に引く線はようやく繁(しげ)くなる...
夏目漱石 「虞美人草」
...これを窓という窓の内側へ丹念に打ちつけたのである...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...彼は懐ろから財布を取り出すと細かいものまで丹念に計算を始めた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...そのカルタの裏をいくら丹念に磨き込んだってだめである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わずか残ったバケツの水で丹念に葉を洗い...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...それを一本ずつ丹念につないだものであった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...一つ一つ丹念に噛(か)み味わいながら...
山本周五郎 「青べか物語」
...しかもひとつ事をこつこつと丹念にやるという気性で...
山本周五郎 「新潮記」
...丹念に探しまわってみると...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
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