...新之丞(しんのじょう)と申すものが大病なのでございますが……」女はちょいと云い澱(よど)んだ後(のち)...
芥川龍之介 「おしの」
...洞から出て参れ」そういって半之丞は右手をあげて額の前で怪しく振った...
海野十三 「くろがね天狗」
...たしかに新之丞の印籠じゃ! 佐平治! もそっと灯をみせい! お...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...玄関の敷台へもたれかかるようにして大の字なりに足をふんばった新之丞のすがた! 佐平治のいうとおり顔半分はくいちぎられて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...それから市川升之丞...
長谷川時雨 「市川九女八」
...楽屋に戻ると、あたりの者は、目を輝かして、菊之丞と、その愛弟子とに、心からの祝辞を述べずにはいられなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...やがて、狂言もすすんで、もう大喜利(おおぎり)という幕間――今日の演技に魅惑しつくされて、新しい渇仰(かつごう)の熱を上げた男女が、雪之丞の楽屋に、山ほど使物(つかいもの)をかつぎ込み、めいめい一ことでも、やさしい挨拶をうけたそうに、どかどかと押し寄せて来るのだったが、そこへ、茶屋の若い者が、顔を出して、男衆に、何かささやく...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ねえ、雪之丞さん、お前にも、その時の、おれの気持はわかってくれると思うが――」いかにも、雪之丞にも、それはよく呑み込めるのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...とうから伺っております」雪之丞...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...彦之丞同じ調子の上機嫌で...
三好十郎 「おスミの持参金」
...満月を金縛りにして銀之丞様に差出しても惜しい事はない...
夢野久作 「名娼満月」
...――丞相どうか草民をあわれんで下さい」つづけざまに異論が沸きそうに見えたので...
吉川英治 「三国志」
...丞相の大才は、とうていおわかりになるまい」「いやいや、僕の偏見よりは、かえって、中央の都府文化に心酔し、それを万能として、天下を見ている人の主観には、往々、病的な独善がある...
吉川英治 「三国志」
...すると突然、異様な泣き声を発して、「丞相っ……...
吉川英治 「三国志」
...市之丞の為(し)た手口も...
吉川英治 「夏虫行燈」
...弦之丞の手へ蝶結びにした裸文(はだかぶみ)を渡すと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「じゃ、弦之丞様、今夜はちょっとお暇をいただいて、家(うち)の様子を見たり、また、当座(とうざ)の食(く)い物(もの)を少し仕入れてまいりますから――」舟をもやうと万吉は、こういいながら、陸(おか)へ上がる支度をしていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...弦之丞は呆然(ぼうぜん)とした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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