...互に連絡氣脈を通じて居るので日本人間にも其の頃から青年社會主義と呼ぶ一團體が出來て渠等の力で或る不都合なる册子(パンフレツト)を六箇國語で出版した事がある...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...不都合なことですけれど...
伊藤野枝 「転機」
...これに対して片岡が不都合なしと弁護すると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...一人は徳川の四天王、一人は江戸の国学者、一人は幕末の剣術使ひで、新村氏とはみんな深い昵懇(なじみ)であつたが、不都合な事には、誰一人年賀状を寄(よこ)してゐなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...お前に対して何か不都合なことでもしたんだろう」青年はもじもじして眼を伏せて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...私は不都合なことをしてはゐまいと思ふ...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...この不都合な侵入者らに対してどんなに腹の立つことであろう...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...学位をめぐるあらゆる不都合な事件の発生の胚芽(はいが)となり...
寺田寅彦 「学位について」
...それについて何か書き並べるという事がそれほど不都合な事でもないと思った...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...縁づいていた田舎医師の家で不都合なことがあって...
徳田秋声 「足迹」
...夢のような不都合な人物...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...かえって不都合なことになるよ」釘を一本刺した上...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんな騷ぎを始めることになつたので御座います」「――」「不都合な弟には違ひありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...注意深く不都合な両極端を避けているようだ...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...考えの領分を窮屈にしてただ経済上の公をもってこれを論ずれば不都合なるに似たれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...今までの話のように第三者の吾々が選むとなるとドッチにしても不都合な点が出来て...
夢野久作 「霊感!」
...――不都合な事は一言も言はなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...――不都合な!』九郎兵衛だけではない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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