...さう云ふ不都合な図々しい奴は大勢の中で赤恥をかゝして以後そんな真似をさせない位のつもりで...
伊藤野枝 「内気な娘とお転婆娘」
...あなたの見てゐる通りあんなに仕事をしたのに不都合なのは先方で金をくれないことなんです...
宇野浩二 「質屋の小僧」
...お前の亭主は不都合なのじゃから...
海野十三 「空気男」
...………おまけに此方側は日当りが悪くって不都合なんでございますが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...途中から人間という不都合な物が飛び出して来たために時々違算を生じる...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...上の仮定で明らかに最も不都合なのは...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...この上なく不都合なものとなって了ったのである...
戸坂潤 「思想動員論」
...日本精神なるものは日本民族の本質を通俗的に云い表わす言葉として不都合なく用いられてよい...
戸坂潤 「辞典」
...不慣れのために実生活で間々不都合なことが生じるという点にあるのだろうと思うが...
戸坂潤 「社会時評」
...こんな不都合なものはないと不平を云っていた...
豊島与志雄 「椎の木」
...不都合な事を立ちふるまうようになるでしょう...
夏目漱石 「創作家の態度」
...岡本は不都合な奴だぐらい云われたに違あるまい...
夏目漱石 「明暗」
...不都合なことがあるものだな」「何です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「不都合な奴だ、――あといくら欲しいと言うのだ」「ヘエ――、ほんの十両ばかり」平次は下品に左の掌をヒラヒラさせながら、武士に近づきました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...万事はいつもまったくおきまりに自分の不都合なようになってゆくにもかかわらず...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...屋宅の普請はじめて落成すれば宴席を開かざるもまた不都合なり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...晩学生には不都合なり...
福沢諭吉 「学校の説」
...不都合な話であると女性の側の悪いようにそこでは言われておいでになる宮がお気の毒である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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