...互に連絡氣脈を通じて居るので日本人間にも其の頃から青年社會主義と呼ぶ一團體が出來て渠等の力で或る不都合なる册子(パンフレツト)を六箇國語で出版した事がある...
石川啄木 「日本無政府主義者陰謀事件經過及び附帶現象」
...不都合なことですけれど...
伊藤野枝 「転機」
...義雄は一しほ女の不都合なのを感じた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...質屋の通帳一つ持たないといふ不都合なことがあるものかと...
薄田泣菫 「質屋の通帳」
...不都合な今の男の名前だけでも可(い)い...
薄田泣菫 「茶話」
...そうすると何かしら不都合なことが起こるという考えがその根底にあるのではないかと疑われる...
寺田寅彦 「自由画稿」
...不慣れのために実生活で間々不都合なことが生じるという点にあるのだろうと思うが...
戸坂潤 「社会時評」
...「何か藤尾が不都合な事でもしたかい」甲野さんは依然として額に加えた手の下から母を眺(なが)めている...
夏目漱石 「虞美人草」
...こうして置かないと不都合なんです」「なぜ」「なぜでも不都合なんです」「妙な奴だな」「ハハハハ実はね...
夏目漱石 「虞美人草」
...「不都合な奴だ、――あといくら欲しいと言ふのだ」「へエ――、ほんの十兩ばかり」平次は下品に左の掌(てのひら)をヒラヒラさせ乍ら、武士に近づきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兎も角あの娘が居ちや不都合なことのある人間が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ますます不都合なものとなり...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...いろいろ不都合なことがこれから起ることを予想しはじめ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...私はそういう不都合な時刻に葵ノ壺へ入りました...
久生十蘭 「無月物語」
...前後不都合なる妄説ならずや...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...今日はもう昔のような不都合なことをする心を持っていませんから」こう切に仰せられるので...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不都合な話であると女性の側の悪いようにそこでは言われておいでになる宮がお気の毒である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その他これに類する新規な不都合な習慣の数々...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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