...神を畏れず人を敬わざる不逞(ふてい)の徒にして...   
内村鑑三  「ヨブ記講演」 
...放送局を占領した不逞団(ふていだん)の頭目に鬼川(おにかわ)という男が居りました...   
海野十三  「空襲葬送曲」 
...帰れん!豊年飢饉の村じゃ田甫(たんぼ)がなくて百姓はウヨウヨと押し合うているのだ百三十呎(フィート)の煙突の下で無数の飢えがガンガンのたうっているナメクジみたいな沢庵ばかり食わされてしわくちゃの胃袋がそろそろ不逞な考えを吹く昼の休み――便所に行ったらビラがあったダラ幹を蹴っとばせ!さしあげる手は団扇のように大きい指環の代りにガリを切るタコが固いお...   
榎南謙一  「無念女工」 
...不逞の徒よ(トレートル)」などと悲劇役者の台詞と身振を真似ながら両手を拡げて浩歎之を久しくする...   
辰野隆  「二人のセルヴィヤ人」 
...むしろ共謀に近いほどの不逞(ふてい)なのです...   
中里介山  「大菩薩峠」 
...明治十年二月十五日陸軍大将  西郷 隆盛熊本鎮台司令官」この不逞な書面は...   
蜷川新  「天皇」 
...漁師らしい男が不逞な腕組みをしながら...   
原民喜  「氷花」 
...己ばかりは不逞な精神の射殺をきくのだ...   
逸見猶吉  「逸見猶吉詩集」 
...これに依って粗野不逞の人民を規則の下に統率制馭しようとすることは...   
穂積陳重  「法窓夜話」 
...実にこの――いえ、ようくわかってるから、いいよ、おやじさん!義一 いいえ、あなた! なあに、そんな事だけなら、なんでもございません! どうで、こんな人でなしの奴を出したんですから、一家のものがそのために食えなくなろうと、石を投げられようと、それ位のことは、あたりまえだと存じますよ、はい! わしが腹にすえかねるのは、よりによって、このわしの子供にです、いえ、わしの家は今こそビロクしていますが、もとはひとかどの士族の家でございまして、天子様に対しましてです、この――いえ、その家からです、こんな不逞の、けしからんチクショウを出したと思いますると、それだけが、それだけが、わしはくやしゅうございまして、ほんとに!(フラフラしながら、友吉の方へ向って、竹力を握って立ちかける)宗定 もういいから――よくわかったから――おい君!(今井に眼顔で指示する...   
三好十郎  「その人を知らず」 
...「名目は不逞(ふてい)の浪人が徒党を組んで...   
山本周五郎  「風流太平記」 
...ご両所の生命を断たんなどという不逞な考えはありません...   
吉川英治  「三国志」 
...不逞なる仮面の敵を...   
吉川英治  「私本太平記」 
...さまで不逞不忠な罪といえるだろうか...   
吉川英治  「私本太平記」 
...世に不逞な叛心をいだくことの...   
吉川英治  「私本太平記」 
...巷(ちまた)を騒がす不逞(ふてい)の狼藉(ろうぜき)と見なされ...   
吉川英治  「宮本武蔵」 
...その不逞さを、母へは抱けないばかりか、母と一しょなら何でも出来た...   
吉川英治  「忘れ残りの記」 
...君の不逞な影響で害ねないでくれ...   
渡辺温  「絵姿」 
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