...放送局を占領した不逞団(ふていだん)の頭目に鬼川(おにかわ)という男が居りました...
海野十三 「空襲葬送曲」
...不逞団の坑道を襲撃いたします...
海野十三 「空襲葬送曲」
...帰れん!豊年飢饉の村じゃ田甫(たんぼ)がなくて百姓はウヨウヨと押し合うているのだ百三十呎(フィート)の煙突の下で無数の飢えがガンガンのたうっているナメクジみたいな沢庵ばかり食わされてしわくちゃの胃袋がそろそろ不逞な考えを吹く昼の休み――便所に行ったらビラがあったダラ幹を蹴っとばせ!さしあげる手は団扇のように大きい指環の代りにガリを切るタコが固いお...
榎南謙一 「無念女工」
...多分不逞の鮮人が...
徳田秋聲 「フアイヤ・ガン」
...浪人者の不逞(ふてい)な徒輩(とはい)がいるらしい...
直木三十五 「大岡越前の独立」
...斉興は、又元のように枕の上へ、額をつけながら(将曹は、不逞の徒を、根絶させると申したが――あれだけやらぬと、彼奴の命が危いから――それは、将曹として尤もだが、わしの命を取ろうという奴もないであろうから、わしの命令としては、少し、殺しすぎたと、世上から見られても、仕方あるまい)そう思っている時、侍女が、黒塗の浅い器と、薩摩紅硝子のコップとを持って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...不逞の浪士輩に、担ぎ上げられて、倒幕の、攘夷のと、大外れた事をしでかすかも知れぬ...
直木三十五 「南国太平記」
...蕃人の心が始めからこの賦役に穏やかでないことを知っている二三の不逞な本島人たちは...
中村地平 「霧の蕃社」
...「俺だけでも粗末にしてやろう」という不逞な思想の...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...そのかはり何か今では不逞不逞しいものが身に備はつてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...ここを付け込んで不逞の徒が跳梁する...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...うわべは君子の如く装って内に悪逆を企(たくら)む不逞(ふてい)な人物...
吉川英治 「三国志」
...今の世に折合えない二十(はたち)の不逞な生命を...
吉川英治 「私本太平記」
...不逞(ふてい)不埒(ふらち)なる秀吉の筋目ちがえを正さんとなし給うおこころに対し...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼はさっきから不逞(ふてい)な面構えをして...
吉川英治 「平の将門」
...いつか際限なき欲望をいだいて不逞な謀(たくら)みをいたすようになりました」「…………」涙の眦(まなじり)をふさいで...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...不逞闘争の輩(やから)をや――じゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...『いま若山さんところに不逞鮮人が三人入つて行つたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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