...不逞の徒よ(トレートル)」などと悲劇役者の台詞と身振を真似ながら両手を拡げて浩歎之を久しくする...
辰野隆 「二人のセルヴィヤ人」
...かくまで大騒ぎをしなければならぬような不逞な思想を...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...不逞(ふてい)の業と...
直木三十五 「南国太平記」
...篤之助も、無事に育つようであるし、吾々の企ても、薄々存じているからには、もう此上、そう易々と、不逞の振舞も、しにくかろう...
直木三十五 「南国太平記」
...不逞(ふてい)の徒の陰謀(いんぼう)ではないかと探ってみたが...
中島敦 「文字禍」
...漁師らしい男が不逞な腕組みをしながら...
原民喜 「氷花」
...己ばかりは不逞な精神の射殺をきくのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...不逞にして深甚なる彼こそ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...文字通り不逞(ふてい)の徒でござるて...
本庄陸男 「石狩川」
...不逞(ふてい)鮮人取締憲兵隊との連携と大書してある...
宮本百合子 「刻々」
...だくだくと不逞な煙を流してゐた...
三好達治 「測量船拾遺」
...クピドーは不逞(ふてい)な神である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「名目は不逞(ふてい)の浪人が徒党を組んで...
山本周五郎 「風流太平記」
...――貞宗はどう俄に気が変ったのか「そんな不逞なくわだてに同心した覚えない」とシラを切ったのみでなく...
吉川英治 「私本太平記」
...朝廷度外などの不逞は敢(あえ)てなしえないのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...きさまはまだこの兄にさらと打明けぬな」「何をです」「大塔ノ宮弑逆(しいぎゃく)の不逞をあえて犯したことだ」「いやお耳には入れてある」「それは一片の報告にすぎまい...
吉川英治 「私本太平記」
...見るからに不逞(ふてい)な面(つら)がまえをした半裸体の大男が...
吉川英治 「新書太閤記」
...詩句すべてに流れている不逞(ふてい)な反逆の血と...
吉川英治 「新・水滸伝」
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