...しかし不確かな前兆が長くつづいている間にだんだんに何物かが近よって来る...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...いよいよ以て不確かな記述が出て來るのである...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...不確かな存在に思われてならなかった...
中島敦 「狼疾記」
...小使の不確かな記憶ではあるが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...面倒臭くて不確かな簪(かんざし)などを振り廻さずに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――その光景には何か気ちがいめいた趣きがあった――さらに塔の尖端はバルコニー風になっていて、その胸壁が、まるでおどおどした子供の手か投げやりな子供の手で描かれたように、不確かな様子で、不規則に、ぼろぼろに、青空のうちにぎざぎざの輪郭を浮かび上がらせていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...そういう不確かな観察を土台にして情報を出されると...
久生十蘭 「ノア」
...「そうだっけなあ」と私はもう一度不確かなように笑いながら言った...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...いま夢みてゐたばかりのごたごたした不確かな事物の間から...
堀辰雄 「續プルウスト雜記」
...不確かな断定はそれでできない気がした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不確かな埋めあわせなどを約束してわたしを苦しめ悩ますことがない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...どうしても我々の掟を概括的な不確かな言葉で表現するにとどめねばならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あんなにこみいった・あんなに細かで不確かな・事柄において...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不確かなら決して早さを伴わず...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...詳しく尋ねるとどこで終りになるかの不確かな地名とである...
柳田國男 「地名の研究」
...まだ子供とはいえ素性の不確かな...
夢野久作 「暗黒公使」
...そしてこの不確かな世界に集合してゐる多くの漁夫達を見ると...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...夢のやうな不確かなものに思はれた‥‥第一にヤンのかうした愛情が長くつゞくであらうか?‥‥彼女はとき/″\彼がこれまでの情婦や...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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