...しかし不確かな前兆が長くつづいている間にだんだんに何物かが近よって来る...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...不確かな初春の気が空気の中や凍った樹皮の下にしみ込んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不確かなるものがあるのか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小使の不確かな記憶ではあるが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...面倒臭くて不確かな簪(かんざし)などを振り廻さずに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...甚だ不確かな話だった...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...このような不明瞭かつ不確かな諸原理に頼っては...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...何か不確かなような気分が...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...それは全く不確かなのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...不確かな断定はそれでできない気がした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...自分などよりももっと記憶の不確かな老人が語り伝えて来たことで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まだ不確かなような愛情の甘い疑問と...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...まだ何となく不確かなあやふやな信念をおっかなびっくり示すのでは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こういう不確かな疑う余地のある事柄の上にその信仰箇条をおし立てようとするほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不確かな埋めあわせなどを約束してわたしを苦しめ悩ますことがない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不確かなまちまちな解釈をこうむりがちである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まだ子供とはいえ素性の不確かな...
夢野久作 「暗黒公使」
...そしてこの不確かな世界に集合してゐる多くの漁夫達を見ると...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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