...却て不廉(ふれん)なる釣遊なり...
石井研堂 「研堂釣規」
...雑誌としては甚だ不廉のようであるが...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...物の品位に對して廉不廉などの比較は...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...かの露国はもっとも不安心なる得意者なればその金利のことさらに不廉(ふれん)なるももとよりゆえなきにあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...いわんや武備なるものはこれを驕奢品として考うればもっとも不廉高直(こうち)なる代物なるにおいてをや...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...農村物価の不当並びに不安定・生産品配給の不備・農業経営法の欠陥と過剰労力利用の不適切・小作問題・公租公課等農村負担の過重と負債の増加・肥料の不廉・農村金融の不備(資本の都市集中)・繭絹糸価格の暴落・旱水風雪虫害等自然的災害・農村における誤れる卑農思想と中堅人物の欠亡・限度ある耕地と人口過剰等に起因しているというのである...
戸坂潤 「社会時評」
...それに値段(ねだん)が不廉(たかい)ものだからといふのであつた...
長塚節 「土」
...それは食料(しよくれう)と薪(まき)との不廉(ふれん)な供給(きようきふ)を仰(あふ)がねばならぬからである...
長塚節 「土」
...〆粕(しめかす)許(ばか)り使(つか)あんだつぺか」おつぎは自分(じぶん)の知(し)らぬ不廉(ふれん)な肥料(ひれう)のことに就(つ)いて聞(き)いた...
長塚節 「土」
...此(こ)の頃(ごろ)では不廉(ふれん)な酒(さけ)は容易(ようい)に席上(せきじやう)へは運(はこ)ばれなく成(な)つて居(ゐ)たので隨(したが)つて他人(たにん)の買(か)つたのでも皆(みな)控(ひか)へ目(め)にする樣(やう)に成(な)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...朝鮮牛(てうせんうし)が大分(だいぶ)輸入(ゆにふ)されたが狗(いね)ころの樣(やう)な身體(からだ)で割合(わりあひ)に不廉(たか)いからどうしたものだか抔(など)といふことが際限(さいげん)もなくがや/\と大聲(おほごゑ)で呶鳴(どな)り合(あ)うた...
長塚節 「土」
...そんなに不廉(たけ)えこと云(ゆ)はねえで...
長塚節 「土」
...不作だから不廉いことはないと商人はいつて居る...
長塚節 「隣室の客」
...又は座右(ざゆう)に欠くべからざる必要品として価の廉不廉に拘(かか)わらず重宝(ちょうほう)がられるのか何方(どちら)かでなければならない...
夏目漱石 「余と万年筆」
...もしこの不況険悪の時勢に於て無用不廉(ふれん)の事を起し一時の名聞(みょうもん)を求むるものとして一笑に附する人士が在ったならば...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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