...朝から酒とは、どうも不埒千万、けしからんじゃないか」「はっはっはっ...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...この不埒千万さを...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...不埒千万(ふらちせんばん)だ」岡本は室の中のむせむせするのが厭(いや)だった...
田中貢太郎 「春心」
...それからあとの彼の所行というものは全く不埒千万なものであった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...けれども、そう話がわかりゃそれでもいいんだ」福兄はそれで、どうやら納まりかけた時に、神尾主膳が、「お角、今に始まったことではないが、お前の腕の凄いのには恐れ入った」改まったような言いがかりだから、お角も用心して、「殿様、改まって何をおっしゃるのでございます」「しらを切っちゃいかん、お前が今度の房州行きなんぞは運もよかったが、腕の凄さは、いよいよ格別なものだ」「神尾の殿様、そんな気味の悪いことをおっしゃっておどかしちゃいけません、こう見えても気が小さいんですからね」「あんまり気が小さいから、少しはオドかして、大きくしてやらぬことにはしまつがつかん」「何をおっしゃるんですか、わたしには一向わかりません」「お前にはわかるまいが、こっちには、すっかり種が上っているんだ、房州へ行って命拾いをして来た上に、金箱を背負(しょ)い込んで来て、それでなにくわん面(かお)をして口を拭っているところなんぞは不埒千万(ふらちせんばん)だ、なあ、福」主膳が福兄を顧みると、福兄は一も二もなく頷(うなず)いて、「そうですとも、そうですとも、ありゃ実際、不埒千万ですよ、あれはただじゃ置けませんよ」「福兄さんまでが殿様に御加勢なんですか、金箱とおっしゃったって、まだ分らないじゃありませんか、まだ乗るか反(そ)るか、打ってみなけりゃわからないじゃありませんか」お角は外(そ)らしてしまおうとすると、神尾はそれを取って抑えて、「その手は食わん、金箱というのは、茂太(もた)とやら茂太(しげた)とやらいう小倅(こせがれ)のことではない、そのほかに確かに見届けたものがあるのじゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...薩摩というやつは実に不埒千万(ふらちせんばん)なやつだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんなところへ連れ込んだ不埒千万(ふらちせんばん)な奴じゃないか」「いいえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれが病気で寝ているのに貴様一人芝居(しばや)へ行くなんて不埒千万(ふらちせんばん)だとか何とか...
夏目漱石 「明暗」
...え? きっとそうだろう」「不埒千万だなんて...
夏目漱石 「明暗」
...不埒千万――だって言やがる」「投げられたのか」「ヘエ――十手を出す暇もありゃしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...回教の信弟子に限った葬礼を不浄極まる犬に施すは不埒千万(ふらちせんばん)だ...
南方熊楠 「十二支考」
...不埒千万にも神社を潰して大悦する神職は知らず...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...無作(むさ)と他藩の恩賞を受けるとは不埒千万...
夢野久作 「名君忠之」
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