...それにつけても佐々木の家臣の姫君をおもらいなされて抜関斎の下風にお立ちなさるところを...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...日本という国が毛唐の下風に立つようになってはおしまいだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...子路が他の所ではあくまで人の下風に立つを潔しとしない独立不羈(ふき)の男であり...
中島敦 「弟子」
...インドにもかかる説、『阿毘達磨倶舎論(あびだつまくしゃろん)』に出(い)づ、いわく、〈太海中大衆生あり、岸に登り卵を生み、沙内に埋む、還りて海中に入り、母もし常に卵を思えばすなわち壊(こぼ)たず、もしそれ失念すれば卵すなわち敗亡す〉、これ古人が日熱や地温が自ずから卵を孵すに気付かず、専ら親の念力で暖めると誤解するに因る)、〈雄上風に鳴き、雌下風に鳴く、風に因りて化す〉(親の念力で暖め、さて雄雌の鳴き声が風に伴(つ)れて卵に達すれば孵るのだ、『類函』四三八に、竜を画(えが)く者の方(かた)へ夫婦の者来り、竜画を観(み)た後、竜の雌雄状(さま)同じからず、雄は鬣(たてがみ)尖り鱗(うろこ)密に上(かみ)壮(ふと)く下(しも)殺(そ)ぐ、雌は鬣円く鱗薄く尾が腹よりも壮(ふと)いといい、画師不服の体を見て、われらすなわち竜だから聢(たしか)に見なさいといって、雌雄の竜に化(な)って去ったと出(い)づ、同書四三七に、斉の盧潜竜鳴を聞いて不吉とし城を移すとあり、予も鰐鳴を幾度も聞いた)、〈その交(つる)むときはすなわち変じて二小蛇と為(な)る、竜の性粗猛にして、美玉空青(ぐんじょう)を愛(め)づ、喜んで燕肉を嗜む(ローランの『仏国動物俗談(フォーン・ポピュレール・ド・フランス)』巻二、三二二頁に、仏国南部で燕が捷く飛び廻るは竜に食わるるを避けてなりと信ぜらるとある)、鉄および※草(もうそう)蜈蚣楝葉(せんだんのは)五色糸を畏る、故に燕を食うは水を渡るを忌み、雨を祀るには燕を用う、水患を鎮むるには鉄を用う、『説文』に竜春分に天に登り、秋分に淵に入る〉...
南方熊楠 「十二支考」
...あっしは日本左衛門の下風につくようなケチな男じゃない...
吉川英治 「江戸三国志」
...秀吉の下風(かふう)について事を成そうなどという卑屈は毛ほども考えていないのである...
吉川英治 「黒田如水」
...下風に見くだすわけではないが」「今の口ぶりはこの王忠を...
吉川英治 「三国志」
...「同じ下風につくなら...
吉川英治 「三国志」
...すこしも下風に見る容子はなく...
吉川英治 「三国志」
...わが君の下風(かふう)に屈していよう...
吉川英治 「三国志」
...下風に降(くだ)って来たとも受け取られかねない装いで出向いてしまった兄の弱さが...
吉川英治 「私本太平記」
...わしの下風については働けんと考える者があるやも知れぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...下風につくことを好まない者ばかりだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...中国出陣の上は秀吉の下風につけといわぬばかりな軍令をうけるに至っては...
吉川英治 「新書太閤記」
...意識しつつ秀吉の下風(かふう)に在らざるを得なくなっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...みなそのどっちかの下風(かふう)に従(つ)かざるを得なくなった...
吉川英治 「新書太閤記」
...公卿(くげ)の下風について...
吉川英治 「源頼朝」
...おれの下風(かふう)にたたき落してみせる)彼は信念していた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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