...どれ私も一風呂、浴びて来ようか...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...一風呂浴びて来てくれと云つた...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...予は急いで一風呂這入ってくる...
伊藤左千夫 「浜菊」
...その話は後にしてまず一風呂あびていらっしゃい」「そうか」と正造は穏しくたって縁側で袴をぬぎながら「わしはよほど風呂がすきだと思われているらしい...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ぐつたり労れて帰つて来て一風呂浴びる...
種田山頭火 「行乞記」
...すぐ一風呂浴びて一杯やつて寝る...
種田山頭火 「行乞記」
...一風呂はいって、汗を流して来るころには、午飯(ひるめし)の支度がもうできていた...
田山花袋 「田舎教師」
...同じ鋳掛屋がもしも一風呂浴びてここを通りかかったのだったら...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...どこでしたのか、髯を剃って、一風呂あびて、靴まできれいに磨かせているし、洋服や帽子の埃もはらってある...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...――むっくりと起て「一風呂浴びて来るから...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...済みませんがどうぞ一風呂振舞っておくんなさいまし...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ちょっと今のうち一風呂(ひとふろ)浴びていらっしゃい...
夏目漱石 「明暗」
...「えゝ、頼めば來てくれるンですよ」「まア、何處で揉むンです?」「二階で、揉んでもらふ部屋があるのよ」「あら、いゝわねえ、あたいも揉んでもらはうかしら……をばさん、按摩さんいくらとるンですか?」「十五圓がきまりね」「へえ……隨分高いものなのね」軈てお神さんは、一風呂浴びて、さつさと上つて行つた...
林芙美子 「暗い花」
...一風呂(ふろ)浴(あ)びて日(ひ)の暮(く)れゆけば突(つき)かけ下駄(げた)に七五三の着物(きもの)...
樋口一葉 「たけくらべ」
...今のうちに皆なで一風呂浴びようぢやないか...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...夕飯前かえって来て、一風呂あびて、夕飯たべると、ああとつかれが出て、夜は十時が待ちどおしい有様です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...――ともあれ一風呂浴びておいであれ」更(ふ)ける時刻も知らないもののように...
吉川英治 「黒田如水」
...秀吉は本丸に坐るとすぐ、「何よりは、一風呂浴びたい、湯殿のしたくを」と、小姓にいいつけ、さて、「骨折り骨折り」と、自分の苦労は忘れて、他の者をねぎらっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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