...一方では川手氏に接近して...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...一方では啓坊を経済的に利用してる云うことが分ってたんやったら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一方では父の好風が帝に哀訴したので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...裏十二の中に月と花が一つずつあってこの一楽章に複雑な美しさを与える一方ではまたあまりに放恣(ほうし)な運動をしないような規律を制定している...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...一方では神のことばを説くことが必要だ...
永井隆 「この子を残して」
...一方では岡本五郎左衛門の一揆鎮撫が功を奏しつつあるとき...
長谷川伸 「身の上や」
...一方ではまだ昔の夢が疼くやうに僕のなかにあつた...
原民喜 「飢ゑ」
...一方ではさらさらといふ衣ずれの音がして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...現在の自分の心のうちのさういふ相剋のためかも分りませんもう一方では...
堀辰雄 「「古代感愛集」讀後」
...しかしそのやうに三枝が私に近づいてくるにつれ、その一方では、魚住がますます寄宿生たちに對して亂暴になり、時々グラウンドに出ては、ひとりで狂人のやうに圓盤投げをしてゐるのが、見かけられるやうになつた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...だが一方では不名誉に直面して...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...一方では杉浦重剛先生または菊池大麓先生など...
牧野富太郎 「植物記」
...又一方ではそれよりほかのこともわかっているつもりです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...他の一方では、あげられないことになりましたから、と材木高を口実に、ひっくりかえりそうな家が、あの大嵐に遭(あ)っても材木一本手入れせぬ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一方ではいろいろと御親切にお世話をしてくださいました御恩は私のようなあさはかな者にも深く身に沁(し)んでかたじけなく思われているのでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一方ではあまりのあさましさに涙がこぼれ...
山本周五郎 「契りきぬ」
...それはもう疑う余地がない、と思うのであるが、一方では、どうにもぴったりしない感じが残った...
山本周五郎 「山彦乙女」
...それは一方では罹災者(りさいしゃ)の苦しみへの同情である...
和辻哲郎 「地異印象記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??