...また一方ではこの自分に何の怨(うらみ)もないお島婆さんが...
芥川龍之介 「妖婆」
...かくのごとく一方では...
丘浅次郎 「民種改善学の実際価値」
...そしてその一方では...
田山録弥 「島からの帰途」
...また一方では、相当な科学者の書いたものでも、単に読者の退屈を紛らすためとしか思われないような、話の本筋とは本質的になんの交渉もないような事がらを五目飯のように交ぜたり、空疎な借りもののいわゆる「美文」を装飾的に織り込んだりしたようなものもまた少なくはないようである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...一方ではまた了解のできないほどに科学の能力が見くびられているのである...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...もし斯(か)う云ふ態度で平岡に当(あた)りながら、一方では、三千代の運命を、全然平岡に委(ゆだ)ねて置けない程の不安があるならば、それは論理の許(ゆる)さぬ矛盾を、厚顔(こうがん)に犯してゐたと云はなければならない...
夏目漱石 「それから」
...がまた一方では、一日も早くこの問題の解決が着けば、自分も安心だし、千代子も幸福だと考えたからである...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...一方では安心もしていた...
新美南吉 「おじいさんのランプ」
...――一方ではさう思はせるやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一方では、審理をすみやかに終えることは誰もの利益ではあるが、他方、審理はあらゆる点で徹底的でなければならず、といってそれと結びついている努力を考えると、けっしてあまり長すぎてもいけない...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...その一方ではまた...
堀辰雄 「美しい村」
...しかしそのように三枝が私に近づいてくるにつれ、その一方では、魚住がますます寄宿生たちに対して乱暴になり、時々グラウンドに出ては、ひとりで狂人のように円盤投げをしているのが、見かけられるようになった...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...一方では自然にうちこむことによって私の心は次第に安静を得て来...
三木清 「語られざる哲学」
...一方では過去のものを現にそこに在るものたらしめると共に...
三木清 「歴史哲學」
...そんなふうにあなたの欠点を拾いながら、一方ではまた、この人のことは一生忘れられなくなるぞ、とも思っていたものです...
山本周五郎 「失蝶記」
...しかも一方では橇際の犬(ホイラー)として経験を積んだデイヴが...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...と、また一方では、かねての底意...
吉川英治 「剣難女難」
...川島は、思いがけぬことに時間をとってしまい陽のあるうちに目的地に行けるかどうかを危ぶみながら、しかし一方では、吉見さえ嫌な顔をしなかったならば、あのままに別れて来た洋子たちにもう一度あって確かめたかったのだけれど、吉見はなぜかそれを喜ばぬような素振りだった...
蘭郁二郎 「植物人間」
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