...また一方ではこの自分に何の怨(うらみ)もないお島婆さんが...
芥川龍之介 「妖婆」
...一方では宗教的思想や哲学がその研究態度においても組み方においてもはたまた出発点に関しても科学的となったことで...
伊波普猷 「ユタの歴史的研究」
...一方ではこういうふうにも考えられはしないだろうか...
海野十三 「怪塔王」
...それとともに一方では安心もした...
海野十三 「蠅男」
...その一方では、度の強い望遠鏡を窓際(まどぎわ)に置いて、それをさまざまの角度にしては、目の下に見える人家の、あけはなった室内を盗み見るという、罪の深い、秘密な楽しみを味わっているのでありました...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...一方では新稿依頼の雑誌社数が昔よりは少なくなっていたところへ...
江戸川乱歩 「自作解説」
...一方では可なり通俗味もあり写実味もあって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...また一方では小学教員を尊(たっと)い神聖なものにして...
田山花袋 「田舎教師」
...一方では確実に仕事をする約束をして、百磅(ポンド)をポケットの中に持っていながら、一方では、事務所の外見、壁の上に会社の名前が出ていなかったこと、それからその他事務家の注意しないではいられない部分などが、私のその雇主の位置に対して悪印象を残しているのでした...
コナンドイル Arthur Conan Doyle 三上於莵吉訳 「株式仲買店々員」
...一方では厄介払いだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一方では歴史の編纂が役所の仕事となつた爲め...
内藤湖南 「支那史學史概要」
...一方では又東京専門学校の講師を勤めつつ...
「私の経過した学生時代」
...それが一方では自分を内面的にし...
南部修太郎 「自分のこと」
...しかし一方では、心は原因と結果の結合についての観察に基づく別個の所見を構成済みであり、その所見によって推論に勢いを付加することを、考慮に入れるべきである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...修辞学は一方では弁証論に...
三木清 「解釈学と修辞学」
...一方では「やれるの」と言う...
三田村鳶魚 「中里介山の『大菩薩峠』」
...一方では非常に思いやりのないことを自責しているのですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...他の一方では既墾の田地に食料を生産しなければならぬ...
柳田國男 「名字の話」
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