...風流韻事に憂身をやつす人はさらにその初音を誰よりも先に争い聴こうとする好事(こうず)的な競争をさえ生ずるようになったのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...夜毎(よごと)の秋に浮身(うきみ)をやつす六波羅一の優男(やさをとこ)を物の見事に狂はせながら...
高山樗牛 「瀧口入道」
...身をやつすものです...
太宰治 「母」
...身をやつすもクソも無い...
太宰治 「母」
...十三夏は毎日蝉とりにうき身をやつす...
中勘助 「銀の匙」
...芸者も文士画工と同じく売名に憂身をやつすもの追々に増加し踊三味線のさらひの如きも劇場博覧会その他公開の場所へ持出し新聞紙に芸評を掲げらるるを無上の名誉となすに至れり...
永井荷風 「桑中喜語」
...浮身をやつすほどのあこがれを持たしめてしまったことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...見えに浮身をやつすよりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...島沖の小島(をじま)は身をやつす離れ小島も身をやつす離れ小島は皆恋し沖の小島も皆恋し島の岸打つ波でさへ沖の小島に身をやつす...
野口雨情 「別後」
...権謀ときっ詐(さ)に浮身をやつす...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...いいとも――姿なんかやつすことがあるものか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...小博奕に浮身をやつす...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妾狂いに浮身をやつす安城郷太郎などの手に負える女ではありません...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...視野をひろく求め取材に憂きみをやつすといふのが一種の風潮かも知れぬが...
牧野信一 「浪曼的月評」
...みめ美わしからんと憂身(うきみ)をやつす女あり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「いよいよ混戦になりそうな時はその姿をやつすべきだ」という古来幾多の名将たちによってとられた意見は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...書画篆刻(てんこく)そのほか楽焼陶器に妙を得て風流に浮身をやつす...
山本笑月 「明治世相百話」
...斯様な鼠と同様の所業に憂身(うきみ)をやつすとは...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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