...時というものをゆるゆるすり減らすやすりのように日がな日ねもす聞こえていた...
有島武郎 「或る女」
...鉄の鑢屑(やすりくず)を吹きかける...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...削りかけの鑪(やすり)の目の立ったるあり...
泉鏡花 「悪獣篇」
...鑢(やすり)をかける...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...わたしはそれでやすり紙をつくるために車につんでそこの砂をはこびに通(かよ)ったことがあったが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...お茶のなかへあれをすこし爪鑢(つめやすり)で削り落していただきますと...
谷譲次 「踊る地平線」
...馴(な)れた手つきでベタキシンのアンプールを鑢(やすり)で切って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...刃の擦(す)り切れたやすりのように...
谷崎潤一郎 「秘密」
...はたきやすりこ木を振り回して空騒(からさわ)ぎをやっているような気がするかもしれない...
寺田寅彦 「時事雑感」
...*鑢(やすり)の音よ...
中原中也 「在りし日の歌」
...槌の音やすりの響が聞え出す...
夏目漱石 「幻影の盾」
...鑢(やすり)一梃の根(こん)仕事だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いつも使う鑢(やすり)がふと見あたらなくなった...
原民喜 「遥かな旅」
...小僧が鋸(のこぎり)の鑢(やすり)の目を叩(たたい)て居る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...何か柔らかい金属をやすりで削っているような音がした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
......
三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...自分の愚鈍へも鑢(やすり)をかけて...
吉川英治 「山浦清麿」
...やってやら」「鑢(やすり)は?」――彼女は決然として言った...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??