...私はさう云ふ生田さんの惑乱した姿をまともにはとても見てゐられないやうな気がします...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一五年二月号)」
...」北村さんの眼は此方の眼をまともに見詰めた...
田中貢太郎 「雨夜詞」
...朝日かゞやく大仏さまの片頬まともに拝んで...
種田山頭火 「行乞記」
...……・しろいてふてふにいつうまれたかきいろいてふてふ・蚊帳越しにまともに月が青葉のむかうから・月の水鶏がせつなく啼いて遠ざかる郵便やさんがばさりと朝日へ投げだしてくれた七月廿八日快晴...
種田山頭火 「其中日記」
...“塩翁院柳家井月居士”夕日をまともに...
種田山頭火 「旅日記」
...入り日をまともに受け...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...かくして彼はオヂュシュウスまともにおのが座を占めつ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...行きてまともに逢はん時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...竜之助の方にまともに向って...
中里介山 「大菩薩峠」
...――お前は私の顏をまともに見ることも出來なかつた――」「親分さん...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...同じ光りがまともに射している水溜りのあるのが見えただけだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それをこうしてまともに受け取ると...
堀辰雄 「菜穂子」
...ここしかまともに温まれん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日白魔」
...ギラギラとした逆光線をまともに面上に享けて...
牧野信一 「南風譜」
...株の社会でもまともには通用しない存在だから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その中でもしまともに歩いて階段をのぼる者があれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...人間の心の動きを私は突きこんでまともに見たくなってそう言ったのだ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...しかし小島の小母さんは、まともに、ぼくの顔を凝(じっ)と見つめて「ほんに、そうだろうね、ああ、よく分ってるわよ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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