...ほの白い蒸気をあげながら滾々(こんこん)と...
海野十三 「人間灰」
...その片方の手には何か小さいほの白い棒のようなものを持っていた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...泣きながらこんどはその小さいほの白い棒に頬ずりしたり...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...彼女の姿はただほの白いタオルに包まれ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...・暮れきらないほの白いのは水仙の花・陽がさせば水仙はほつかりひらき・とろ/\とける『舌皷』の春ですね・水のいろも春めいたいもりいつぴき(再録)・水仙こちらむいてみんなひらいた・あたゝかく虫がきて夜の障子をたゝくすつかり春らしく家々のけむり・地べた日向をころげて落葉・焚火あたゝかく風さわぐ二月廿六日寒い雪がちらほらしたが...
種田山頭火 「其中日記」
...一昨日の夜ほの白い道が続いていたのはどの方向だか...
豊島与志雄 「夢の卵」
...目に見えない指でぼーっとほごされるほの白い綿のようにひろがっていった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この長い薄暗いほの白い丸天井のあらゆる石に交じっているかと思われる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...灯を背にして、ほの白い顏、岩佐又兵衞の繪から拔出したやうな、妖艶な姿態(ポーズ)が、相手を苛立たせずには措きません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
......
原民喜 「かげろふ断章」
...どんどん黒い松の林の中を通ってそれからほの白い牧場の〔柵〕をまはってさっきの入口から暗い牛舎の前へまた来ました...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...ほの白い顔を私は一種の親しさをもって見返した...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...朝あけのようにほの白い光がさしこんで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ほの白い青味がかって参りますと...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...千鶴子は樹の間のほの白い蕾を見廻し...
横光利一 「旅愁」
...蜜柑畑のほの白い...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...沖一帶はほの白い光を包んだ雲に閉されて...
若山牧水 「熊野奈智山」
...ほの白い湯気の内にほんのりと浮き出ている...
和辻哲郎 「院展遠望」
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