...下(しも)ぶくれの顔がこちらを見てゐる...
芥川龍之介 「好色」
...その未だ老に入らない不思議な美しさを思はせる下ぶくれの...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...うまくいくぞ」水が革ぶくろのなかになくなると見るや...
海野十三 「怪塔王」
...ひょうたん形をして湖面(こめん)がにぶく光っている...
海野十三 「少年探偵長」
...彼は私の身体を石鹸のあぶくだらけにして...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...俗に餌嚢(えぶくろ)と名づけるものであるが...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...頬はしもぶくれでもち肌であった...
太宰治 「ロマネスク」
...それを新聞社へ毎日送るのに状袋(じょうぶくろ)に入れて送るその状袋の上書(うわがき)をかくのが面倒なので...
正岡子規 「病牀六尺」
...胃(い)ぶくろはひもじいだろうと言った...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...胃ぶくろでも内臓の中でも...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...嘴の染まりきらぬ色合いや着ぶくれているような羽毛の落ちつきのない恰好に...
矢田津世子 「茶粥の記」
...蒲公英の種子は細長く下ぶくれで...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...八の小娘で下ぶくれの顔立ちから口元のむっとした工合で「ウサギ」...
山本笑月 「明治世相百話」
...木の間から黄昏(たそがれ)ににぶく光る池の水が見えた...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...小さな渦(うづ)が黄(き)いろぽい泡(あぶく)を載せた儘すい/\と流れてゐた...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...それらの食物を胃ぶくろへ入れる間もなかった...
吉川英治 「三国志」
...殊に、もう十七歳の若者だ、胃ぶくろは、喰っても喰っても食い足らない気持だし、大きな屋敷を見れば、あんな屋敷に住んでみたいと思い、豪華な武家の身装(みなり)を見れば、自分の身装が顧(かえり)みられ、美しい女達を見れば風のなかの香(におい)を強く感じる――とはいえ、どんな慾望を思うよりも先に、母を幸福に――という念願が、常に前提として彼にはあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...耳ぶくろに入れて来た甲軍の出兵に関する機密だった...
吉川英治 「新書太閤記」
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