...水槽(みづぶね)の水に先を争うて首を突き出す牧場の仔馬(こうま)のやうでもあつた...
石川啄木 「道」
...かれらは父をさしおき先を争うて庭へまわった...
伊藤左千夫 「紅黄録」
...ランチと先を争う様に...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...先を争うて押し合う心理も昇降機の場合にはたいした恐ろしい結果は生じない...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...犬の家族は刎(は)ね起きて先を争うて走って往った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...あるいは連(れんひょう)先を争うも未(いま)だ知るべからず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...折助どもは先を争うて梯子からこの美人国へ乱入しようとして...
中里介山 「大菩薩峠」
...つづいて先を争うて甲板の上へハミ出した...
中里介山 「大菩薩峠」
...先を争うて噛み合っているのに違いない...
中里介山 「大菩薩峠」
...仕事を与えられた人々は先を争うて山に入り...
中里介山 「大菩薩峠」
...先を争うて逃げようとする...
中里介山 「大菩薩峠」
...先を争うて逃げ迷い...
中里介山 「大菩薩峠」
...先を争う者のために奪われて...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...諸有志のわれも花束を贈らんとて互いに先を争う中に...
福田英子 「妾の半生涯」
...ずるいわ」先を争うて泉の傍(そば)に寄る...
森鴎外 「杯」
...そうして先を争う蛆虫(うじむし)の大群のようにゾロゾロウジャウジャと入口の方向へ雪頽(なだ)れ初めた...
夢野久作 「二重心臓」
...喜太夫は、怪訝(いぶか)って、「しかし、何じゃ今頃……」「いや、後より立った京極高知(きょうごくたかとも)と、佐々行政(さっさゆきまさ)などの人数が、夜泊りもせす、先を争うて、行軍いたしおるのでございます」刑部はそら耳に聞いていたが、膿(うみ)の出る頬へ、白い布(ぬの)を当てながら、にやりと苦笑していた...
吉川英治 「大谷刑部」
...それは先を争う他の友軍を...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索