...その路筋を田の畔畷(あぜ)の左右に、一つ、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つと順々に数えるとふわりと霧に包まれて、ぼうと末(うら)消えたのが浮いて出たようにまた一つ二つ三つ四つ五つ、稲塚――その稲塚が、ひょいひょいと、いや、実のあとといえば気は軽いけれども、夜気に沈んだ薄墨の石燈籠の大きな蓋のように何処までも行儀よく並んだのが、中絶えがしつつ、雲の底に姿の見えない、月にかけた果知れぬ八ツ橋の状(さま)に視(なが)められた...
泉鏡花 「遺稿」
...調子をつけてひょいひょいと渡ったわよ」「ふん...
梅崎春生 「Sの背中」
...ひょいひょいと飛び交いながら...
梅崎春生 「幻化」
...一ヶ月ごとにひょいひょいと変る...
海野十三 「暗号数字」
...ひょいひょいと空中におどった...
江戸川乱歩 「影男」
...手のひらの上でひょいひょいと躍らせて見せた...
江戸川乱歩 「影男」
...ひょいひょいとずいぶん気をつけて歩いているような姿であった...
太宰治 「薄明」
...ひょいひょいと彼の頭にからみついてきた...
豊島与志雄 「狐火」
...ひょいひょいと頭をもたげては...
豊島与志雄 「春の幻」
...いろんな考えがひょいひょいと浮んできた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...ひょいひょいと産むと言いましてな」「ホ...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかし私は路々(みちみち)その晩の事をひょいひょいと思い出しました...
夏目漱石 「こころ」
...ずいぶん奇抜だと思う文句がひょいひょいと出てきた...
夏目漱石 「手紙」
...ひょいひょいと腰をかがめ...
宮本百合子 「或る日」
...そのことがひょいひょいと頭をかすめるのでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひょいひょいと答えるようになって来た...
柳田国男 「故郷七十年」
...ひょいひょいと身振りしながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...私なんか手におえないセメン袋をひょいひょいと二つも両の小脇に抱えてしまう馬鹿力を持った男で...
蘭郁二郎 「穴」
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