...瓔珞(ようらく)の珠の中にひとえに白き御胸を...
泉鏡花 「一景話題」
...旗艦を目ざす敵の弾丸ひとえに松島にむらがり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ひとえに懐疑的態度を取り...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その目的はただひとえに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...手前の心痛もひとえにその点にかかわりますので...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...ひとえにゆるぎない堅信と誠実な人柄によることである...
久生十蘭 「新西遊記」
...ひとえに日ごろの信心のお蔭だと有難涙(ありがたなみだ)にくれる次第でございまス...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...陛下、ひとえに、ご賢慮をお決し下さいませ」張均は、口を酸(す)くし、われとわが忠誠の情熱に、眦(まなじり)に涙をたたえて諫言した...
吉川英治 「三国志」
...ひとえにこの曹操が功ではないか...
吉川英治 「三国志」
...ひとえにそんな境地や兵学の論究が愉しかったからだ...
吉川英治 「私本太平記」
...昼酒くらって、足利若御料(わかごりょう)の礼讃(らいさん)はまア笑止(しょうし)ながら聞き捨ててもおこうが、鎌倉入りの大合戦は、ひとえに、若御料(千寿王)の参陣があったからこそ勝ったのだと吐(ぬ)かした雑言(ぞうごん)だけはききずてならん...
吉川英治 「私本太平記」
...ひとえに義貞の善戦によるとはいえ...
吉川英治 「私本太平記」
...ひとえに、皇統の破滅のみならず、その下における、あわれ民ぐさ、千万の精霊(しょうりょう)も、みな戦土に喘(あえ)ぎ哭(な)かねばなりません」このとき、ついにたまりかねたように、公卿座のうちから、参議坊門ノ清忠が、「廷尉! 廷尉」と、制止して、「なにさま、其許(そこ)の奏上(そうじょう)を伺っておると、其許は時局を思い病む余り、ちと気鬱(きうつ)の症にかかっておられるようだ……...
吉川英治 「私本太平記」
...白晒布(さらし)のよごれぬいた着物ひとえに...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただひとえに、ご主人撲天(はくてんちょう)李応(りおう)どのへ拝姿をえたく伺った事、なにとぞお取次ぎを...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「ひとえにこれは...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ひとえに神明の加護によるものと私は思う」「…………」「しかるに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ひとえにお寛大を賜わりますよう...
吉川英治 「親鸞」
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