...どういう落語を聞いたかは生憎(あいにく)はっきりと覚えていない...
芥川龍之介 「本所両国」
...片手をつき出して実にはっきりと事務の如くにいう...
上村松園 「中支遊記」
...実ははっきりとは分っていないのであります...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...かくてようように眠りがはっきりと覚めたので十分に体の不安と苦痛とを感じて来た...
高浜虚子 「子規居士と余」
...私はその大通りの中に私の一生のリズムがはっきりとたどられるような気がした...
田山花袋 「日本橋附近」
...はっきりと船の燈(あかり)が見えだすだろう...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...私の目にはっきりと残っているものは...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...感情も言葉もはっきりとは他人と通じ合わない孤独さ...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...ということははっきりとさせられないのです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...私にはっきりとおっしゃって説明して下さい...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...さっきから心に滲(にじ)み出(だ)していた後悔らしいものを急にはっきりと感じ出した...
堀辰雄 「菜穂子」
...明日にもその正体がはっきりとなりそうな...
堀辰雄 「楡の家」
...自分でも何をとははっきりと分からないようなものを考えで追い続けていた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...はっきりと仕事台に向って終日こつこつと彫りものをしている手つきまでが映っていて...
室生犀星 「香爐を盗む」
...もっとはっきりとその変革を公示しなければならぬ...
柳田国男 「故郷七十年」
...それもはっきりとは答えられない...
山本周五郎 「青べか物語」
...栄二の馴れた眼でもはっきりとは見えない...
山本周五郎 「さぶ」
...かなりはっきりと身内に感じられる...
山本周五郎 「新潮記」
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