...看護婦が帽子を髪にとめるための長い帽子ピン、天井の張ってない湯殿(ゆどの)の梁(はり)、看護婦室に薄赤い色をして金(かな)だらいにたたえられた昇汞水(しょうこうすい)、腐敗した牛乳、剃刀(かみそり)、鋏(はさみ)、夜ふけなどに上野(うえの)のほうから聞こえて来る汽車の音、病室からながめられる生理学教室の三階の窓、密閉された部屋(へや)、しごき帯、……なんでもかでもが自分の肉を喰(は)む毒蛇(どくじゃ)のごとく鎌首(かまくび)を立てて自分を待ち伏せしているように思えた...
有島武郎 「或る女」
...お父さん」はさみついて離れない父親の足指を...
梅崎春生 「狂い凧」
...板切(いたきれ)ではさみ...
海野十三 「爆薬の花籠」
...ひとりで作つてゐることはさみしくない...
種田山頭火 「行乞記」
...心なき世はさみしくて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼はポケットの中を探って小箱と鋏(はさみ)と糸とを取り出し...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...またある句は蟹(かに)の鋏(はさみ)のように動いてるようでもある...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鋏(はさみ)と櫛(くし)を持って自分の頭を眺め出した...
夏目漱石 「夢十夜」
...迷亭君は今度は右の袂(たもと)の中から赤いケース入りの鋏(はさみ)を取り出して細君に見せる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...鋏(はさみ)ではさんでしまった...
長谷川時雨 「西川小りん」
...夫(そ)れよと即坐(そくざ)に鋏(はさみ)を借(か)りて女子(おなご)づれは切拔(きりぬ)きにかゝる...
樋口一葉 「たけくらべ」
...螯(はさみ)ハ蟹ニ似タリ...
牧野信一 「鏡地獄」
...鋏(はさみ)のような眼付で女を依然高びしゃに打眺めた...
室生犀星 「三階の家」
...鋏(はさみ)を借りて杉山と倶(とも)に髪を剪(そ)り...
森鴎外 「大塩平八郎」
...それで鉄砲をうつのはやめにして、そのかわり、はさみをだして、ねむっているオオカミのおなかを、ジョキジョキ切りはじめました...
グリム Grimm 矢崎源九郎訳 「赤ずきん」
...時としては鋏(はさみ)や針などまで持ち出す児(こ)があって...
柳田国男 「こども風土記」
...はしをきれいに鋏(はさみ)で剪(き)りそろえている...
柳田国男 「母の手毬歌」
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