...人気(ひとけ)のない奥さんの部屋の入口の椅子(いす)のうへにある鋏(はさみ)をつかみました...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...卵の袋を脇の下にはさみ...
梅崎春生 「黄色い日日」
...黒い軽気球をまんなかにはさみながら...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...・かさなつて山のたかさの空ふかく霧島に見とれてゐれば赤とんぼ朝の山のしづかにも霧のよそほひチヨツピリと駄菓子ならべて鳳仙花旅はさみしい新聞の匂ひかいでも山家明けてくる大粒の雨重荷おもかろ濃き影ひいて人も馬も朝焼け蜘蛛のいとなみのいそがしさ・泣きわめく児に銭を握らし蒸し暑い日の盗人つかまへられてしまつたこんなにたくさん子を生んではだか死にそこなつて虫を聴いてゐる九月廿一日曇...
種田山頭火 「行乞記」
...はなはだまとまらないこの一編の映画漫筆フィルムにこのへんでひとまず鋏(はさみ)を入れることとする...
寺田寅彦 「映画時代」
...切符の鋏穴(はさみあな)がちがっているというのである...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...織り上げたばかりで鋏(はさみ)のはいっていない裏表なしの花模様絹...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...褪(さ)めた萠黄(もえぎ)の法被(はつぴ)を着(き)た供(とも)一人(ひとり)連(つ)れて挾箱(はさみばこ)を擔(かつ)がせて歩(ある)いて來(き)た...
長塚節 「土」
...ランプの心(しん)を剪(き)る鋏(はさみ)はどこにあるんですか」と云う小六の声がする...
夏目漱石 「門」
...それが皆(み)んななんの役にも立たなかったのはどうしたわけだ」丹波丹六は横から口をはさみました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...何年にも植木屋さんの入ったことはありませんよ」「それにしちゃ綺麗じゃないか」「旦那が鋏(はさみ)をお使いになりました」そういえば植込みの刈(か)りようがひどく不器用です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その罠が鋏(はさみ)で切られてあり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女の指輪(ゆびわ)や鋏(はさみ)を探し...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...」私が殆んど紙挾(かみはさみ)の紐を結ばないうちに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しほりをはさみ鉛筆で印しをつけた For the Sick を添えて途中の村はづれのカフエに托した...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...私は体温計を脇の下にはさみ込みながら...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...これだけは鋏(はさみ)を以(もっ)て切ってしまわずにはいられぬのであるが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...月見草はかなかる花にはあれど、月見草(つきみさう)、ふるさとの野を思ひ出(い)で、わが母のこと思ひ出(い)で、初恋の日を思ひ出(い)で、指にはさみぬ、月見草(つきみさう)...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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