...僕は始め清正公様(せいしょうこうさま)にいるかったいの乞食(こじき)がお金をねだる真似(まね)をしているのかと思った...
有島武郎 「碁石を呑んだ八っちゃん」
...祠官にねだることも出來ず...
大町桂月 「金華山」
...ちい――両手の貝を千鳥がねだる...
高村光太郎 「智恵子抄」
...」と笑ひながら、ねだると、「ちよつとお待ち下さい...
太宰治 「貪婪禍」
...物をねだるような調子で云った...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...寄って来てねだるんです...
豊島与志雄 「林檎」
...書肆の月刊雑誌を発行するや最初は何事も唯々諾々(いいだくだく)主筆のいふ処に従ふといへども号を追ふに従つてあたかも女房の小うるさく物をねだるが如く機を見折を窺ひ倦(う)まず撓(たゆ)まず内容を俗にして利を得ん事のみ図る...
永井荷風 「書かでもの記」
...お取かへには寫眞をくれとねだる...
樋口一葉 「にごりえ」
...まるで子供が物をねだる時のような声で言った...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...いや、わしには何より娘つ子や新造が苦手なんでしてな、あの手合に見つかつたが最期、『フォマ・グリゴーリエッチ! フォマ・グリゴーリエッチ! ようつてば、なんか怖いお話をして下さいつたら? ようつてば! ようつてば!……』つてんで、ねだること、ねだること……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...押し返してねだるように願うと...
森鴎外 「阿部一族」
...おばあ樣にねだる孫が...
森鴎外 「最後の一句」
...そこでお初はしつっこくねだるようになる...
矢田津世子 「神楽坂」
...兄さんや姉さんたちは自由にねだるし...
山本周五郎 「末っ子」
...酒手をねだるつもりだろう...
山本周五郎 「風流太平記」
...二十両の次に幾らねだるかはわからないが...
山本周五郎 「やぶからし」
...お金をねだる――」「いろいろなものがあるんじゃの...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...俺にくれないか」武蔵がねだると...
吉川英治 「宮本武蔵」
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