...手も温かにしめつてゐる――常よりも一層美しく...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...やがて愛子は広い帯をふだん着(ぎ)と着かえた上にしめて...
有島武郎 「或る女」
...そこには華手(はで)なモスリンの端切(はぎ)れが乱雲の中に現われた虹(にじ)のようにしっとり朝露にしめったまま穢(きた)ない馬力の上にしまい忘られていた...
有島武郎 「カインの末裔」
......
石川啄木 「一握の砂」
...ちゃんと帯を立矢にしめて...
犬田卯 「おびとき」
...もとのとおりにしめてしまったのです...
江戸川乱歩 「鉄人Q」
...そこにもこゝにも蜩がしづかにしめやかに鳴きかはしてゐた(みん/\蝉は先日来いくたびも聴いたが)...
種田山頭火 「行乞記」
...コルセットの中にしめつけられてる太った羊飼いの女...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私の心をこんなにしめつけるのであろうか...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...西暦一九二五年夏東京の郊外にて著者愛憐詩篇夜汽車有明のうすらあかりは硝子戸に指のあとつめたくほの白みゆく山の端はみづがねのごとくにしめやかなれどもまだ旅びとのねむりさめやらねばつかれたる電燈のためいきばかりこちたしや...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...あはれにしめやかな この深夜のふけてゆく思ひに心をかたむけわたしの心は垣根にもたれて横笛を吹きすさぶああ このいろいろの物のかくされた祕密の生活かぎりなく美しい影と 不思議なすがたの重なりあふところの世界月光の中にうかびいづる羊齒(しだ)わらび 松の木の枝なめくぢ へび とかげ の不氣味な生活...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...だから仙辰一座は日本では第一位を常にしめている...
長谷川伸 「奇術考案業」
...壁ぎわでこおろぎが啼(な)いているのがいやにしめっぽい...
林芙美子 「晩菊」
...壁ぎはでこほろぎが啼いてゐるのがいやにしめつぽい...
林芙美子 「晩菊」
...彼は上京した古い同僚は真赤な顔をしてどなりつけた―――地方の部署を知れ!彼ははっきりその一語を耳にしめたそして彼はその夜東海道を西え帰ってきた高知...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...広大な地域をなかばアジアになかば西欧にしめるスラブ人も...
宮本百合子 「現代の主題」
...様子にしめやかな艶(えん)なところがあって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...瓦は薄じめりにしめっている...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
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