...等閑(なおざり)に引被(ひっか)けた...
泉鏡花 「印度更紗」
...二葉亭の『あいびき』は殆んど原作の一字一句をも等閑(なおざり)にしない飜訳文の新らしい模範を与えた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そして今私は自分の仕事を等閑(なおざり)にしていることに気がついて来た...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...これをなおざりにしていては...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...そして過ぎ去った機会をなおざりにしたことの償(つぐな)いをするためにわれわれの時を過ごし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...ちょっとでも等閑(なおざり)にした罰を受けたのだと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...等閑(なおざり)のこの四五日に藤尾の眉(まゆ)にいかな稲妻(いなずま)が差しているかは夢測(はか)りがたい...
夏目漱石 「虞美人草」
...けれども三四日(さんよっか)等閑(なおざり)にしておいた咎(とが)が祟(たた)って...
夏目漱石 「明暗」
...居家の私徳を等閑(なおざり)にするにおいては...
福沢諭吉 「日本男子論」
...なおざりのものとされ...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...無用な事へ心を労してそれがために実用の智識を等閑(なおざり)にするのは最も憂うべき事だ...
村井弦斎 「食道楽」
...今にお登和嬢と結婚したら早速こういう物を造らせなければならん」と今は何物をも等閑(なおざり)に見ず...
村井弦斎 「食道楽」
...他の規定の諸学課をそれだけなおざりに致しました...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...責任重き役印をなおざりに致し候こと怠慢に候...
山本周五郎 「いさましい話」
...受容れる我われの在り方の純粋さもなおざりにはならない...
山本周五郎 「新潮記」
...自分がなおざりにしてきたことなど...
山本周五郎 「つばくろ」
...「膳(ぜん)の物も給仕もなおざり過ぎる...
山本周五郎 「めおと蝶」
...一刻もなおざりには相成りません...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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