...それどころか、堅く結んだ唇のあたりには、例の無気味(ぶきみ)な微笑の影が、さも嘲りたいのを堪(こら)えるように、漂って居(お)るのでございます...
芥川龍之介 「邪宗門」
...だいどころからもってきたのです...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「雪の女王」
...実はね、媽々衆、ああ見えて、浮気もんでね、亭主は旅稼ぎで留守なり、こちらのお若い方のような、おッこちが欲しさに、酒どころか、杯を禁(た)っておりますんでね...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...一心不亂どころか...
太宰治 「お伽草紙」
...忘れるどころか、いよいよ好きになった、旅役者にだまされるとは、なんというロマンチック...
太宰治 「デカダン抗議」
...女は男の世界とその事業には無知であっていいどころか...
谷譲次 「字で書いた漫画」
...世話になるどころか...
谷崎潤一郎 「細雪」
...承知どころか知り拔いているんだ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...それどころか、わたしには、あなたを失うのは、何よりの不幸なのですの(彼女はいきなりイワンに飛びかかって、両手を取るやいなや、熱情をこめて握りしめた)...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...わたくしがけっして嘘(うそ)を申すどころか...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...遠い地平線どころか...
豊島与志雄 「新時代の「童話」」
...頭がよいどころか...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...「それどころか、美佐子さん有難うと、ただ安らかな気持ちでいらしたんですよ...
豊島与志雄 「窓にさす影」
...「かう甘く見えたつて、七転び以上なンだよ、一転びの苦労もなめた事がないくせに、一かどの苦労をしよつた気の女が多いンだから、全く呆れけえるだわ、ねえ、勘ちやんさうは思はないかい?」顔の長いバアテンダーは、桃色の紙風船をふくらましながら、「冗談云つちやアいけないよ、七転びどころか、今の世の中ア、百転びの方が多いンだぜ」「馬鹿、何によう云つてるンだい、フゝゝお神さん転ばして風船吹いてゐなよだ」お粒は興ざめた顔で鉢植の蔭から出て来ると、寝呆けたやうな女達の椅子の中へはひつて行つた...
林芙美子 「「リラ」の女達」
...それどころか、ハナに出逢わなかったら、人間の玄妙さというものを、感じることがなくすんでいたろうと思います」阿曽とハナの愛情をめぐって、検事と弁護士の間でとりかわされた論争は、それだけでも非常に興味のあるものだが、ここでは触れない...
久生十蘭 「白雪姫」
...いつかこの無名作家はキミがいま助けるどころか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...爺やに給料を払ふどころかあべこべに...
牧野信一 「鱗雲」
...すぐこれへつれて来い」有縁どころか...
吉川英治 「私本太平記」
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