...併し雨風が止んでいるどころか一層猛威をたくましくしていることは漸くこの雷霆のはためきで想像された...
高浜虚子 「丸の内」
...眼の前どころか世界が真暗になったようなショックだった...
高見順 「いやな感じ」
...支那の現状どころか...
太宰治 「惜別」
...眉を凝視(みつめ)ていると違うどころか! それは私の気持をますます底なしの恐怖に陥れてくる...
橘外男 「逗子物語」
...お藤どころかお里どころかだいじなだいじな息子の新之丞がたおれています...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...夫を忘れずに身をつつしむどころか...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...」「不機嫌どころか...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...綱手は(不服どころか――嬉しゅう思いますし...
直木三十五 「南国太平記」
...「それほど君は僕に敵意をもってるのか」「どうして、どうして、敵意どころか、好意精一杯というところだ...
夏目漱石 「明暗」
...試験以前の十日間の勉強は実に兵士の戦闘準備どころか...
新渡戸稲造 「自警録」
...それどころかあんまり頭が早くつて...
長谷川時雨 「凡愚姐御考」
...ええ? 黄金だと? それとはまるで大違ひ、黄金どころか、塵芥(ちりあくた)なんで……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ある老巧の陸軍大佐は、それが見たいばかりに、わざわざ早目に家を出て、群集を押しわけ押しわけ、やっとの思いでそこへ割り込んだものだが、じつに癪にさわることには、店の窓先で見たものといえば、鼻どころか、ありふれた毛糸のジャケツと一枚の石版刷の絵だけで、その絵というのは、靴下を直している娘と、それを木蔭から窺っている、折襟のチョッキを着て、頤髯をちょっぴりはやした伊達者(だてもの)を描いたもので、もうかれこれ十年以上も同じところにかかっているものであった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...それどころかそもそも悲鳴をあげた事実さえなかったかのようだった...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...どうして、それどころか、サンドリヨンは、かくしの中から、もう片かたの上ぐつを出して見せました...
ペロー Perrault 楠山正雄訳 「灰だらけ姫」
...かかる法律を提唱するどころか...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...それどころかかえって...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...帝王の臨御が有効であるどころかかえって有害であった実例をさえ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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